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平成の東北大理系後期数学 -1993年-

このシリーズでは、平成の東北大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。

 

26回目の今回は1993年になります。

 

第1問

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級数の評価に関する問題です。全体的に発想力勝負の問題という感じです。

 

(1) 奇数番目と偶数番目の項をセットで考えてあげると証明ができます。ちなみに、n→∞の極限で、snは1/e-1に収束します。

 

(2) こちらは典型問題で、部分分数分解を使うとtnが直接nの式として計算できます。

 

(3) わざわざ(2)が与えられているので、不等式評価を使ってtnを登場させればいいのでは?という発想になります。ちなみに、unはn→∞の極限でe-1に収束します。

 

<筆者の解答>

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第2問

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ベクトルの1次変換に関する問題です。

 

(1) ベクトルが直交するという条件から、x1,y1,x2,y2の関係式が2つ求まります。

OP1とx軸のなる角がθなら、(x1,y1)=(rcosθ, rsinθ)と表現できるので、その下で、(x2,y2)が(0,0)以外に求まるようなθの条件を求めます。

 

(2) (1)とは独立に解けます。OP=(cosφ, sinφ)とおいて、|OP'|を計算すればよいでしょう。

 

<筆者の解答>

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第3問

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4次関数に関する問題です。

 

(1)教科書レベルの問題です。f'(x)の符号を調べます。

 

(2) g(x)=-12x+aとしたとき、y=f(x)とy=g(x)がx=n(n:整数)で接するとき、f(n)=g(n)とf'(n)=g'(n)が同時に成立します。そこからnとaを求めます。

 

(3)x=n以外の交点を求めて積分計算します。解と係数の関係を使うと見通しが良くなります。

 

<筆者の解答>

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第4問

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円順列に関する問題です。

円順列については、各位置に名前を付けて回転を止めてから数えると間違いがないと思います。

 

(2)については、赤の入る位置を固定して、残り2色の置き方を調べると数えやすいです。

 

<筆者の解答>

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第5問

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放物線の法線と直線との交点に関する問題です。

 

(1)x=pでのCの法線の式を作って、lと直交する条件からpをtの式で求めて、両者を連立してQの座標を求める方針でよいでしょう。

 

(2) PQベクトルを計算すると、綺麗に因数分解できて|PQ|がtの式で表現できるので、それを微分します。問題文にあるtの範囲が、この場面で生きてきます。

 

<筆者の解答>

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