このシリーズでは、平成の京大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
2回目の今回は2005年になります。
第1問
3次関数の接線と法線に関する問題です。
Pの座標を(p, p^3)とおいて接線と法線の式を計算⇒Q.Rの座標を求める⇒OR/OQをpの式で表現して増減を調べる
という一本道で解ける問題です。最小値を求めるにあたっては微分を使うまでもなく、相加相乗平均で片が付きます。
<筆者の解答>
第2問
複素数の方程式の問題です。
素直にz=a+bi (a,bは実数)とおいて、実部と虚部の係数比較によってa,bの連立方程式を解く問題に帰着させれば問題ないでしょう。
<筆者の解答>
第3問
3項間漸化式のベクトル版といった趣の問題です。
3項間漸化式を解くにあたっては、an+2 - αan+1 = β(an+1 - αan)という等比数列の形になるようなα,βを探すのがテンプレでした。
それと同じ発想で、An+2 - PAn+1 = Q(An+1 - PAn)となるような行列P,Qを探すのが肝になりますが、これが意外に思いつかないんですよね。。。
これらが思いつきさえしてしまえば、Anの漸化式がより簡単な形になって解くことができます。番号が一個飛びの漸化式になるので、nの偶奇による場合分けが発生します。
実験をして一般項を予測して帰納法、という手もありますが、今回の場合は規則性が思いつきにくいので、上記の解き方がベストだと思います。
<筆者の解答>
第4問
空間図形の問題です。比の情報もあるので、解法はベクトルの一択でしょう。
目標は、OA', OB', OC'の各ベクトルを、OA, OB, OCで表現することです。対称性があるので、OA'を求める方法だけ考えてあげればよいと思います。
A'は面OBC上にある点なので、OA'はOBとOCのみで書けます。これをもとに、Pが直線AA'状にある条件を考えていけばよいでしょう。
<筆者の解答>
第5問
実質積分計算の問題です。
右辺の積分の中身の対数ですが、底が10になっています。底がeになっていないとうまく積分できないので、底をeを変換して計算を進めることになります。
そうして再び底を10に戻してあげれば、問題文に近似値を与えられている値が登場するので、不等式を使って評価してあげればよいでしょう。
<筆者の解答>
第6問
確率の問題ですが、難問だと思います。
求める確率pnは、「100円玉がk枚表になるとき、500円玉がk+1枚以上表になる確率」を全て足したもの、という形で式自体は簡単に作れます。
が、シグマと二項係数が入り混じった複雑な式なので、これを力づくで計算するのは無謀でしょう。ここで手が止まってしまいます。
そこで、一旦nが小さい所でpnを実際に計算してみましょう。するとp1もp2も1/2という値になります。
となると「実はpnは、nによらず1/2で一定なのでは?」という予測が立ちます。
pn=1/2ということは、余事象の確率1-pnも1/2と言うことになります。
余事象の確率1-pnも、「100円玉がk枚表になるとき、500円玉がk枚以下表になる確率」を全て足したもの、ということでpnと似たような式の形になっています。
ということで、「最初に作ったpnの式をうまく式変形すれば、1-pnの式になる」ことが言えればゴールとなります。この発想に至るのがなかなか厳しいわけです。
pnのΣで使った引数をうまく変換して、1-pnの式に帰着してあげましょう。
<筆者の解答>