ちょぴん先生の数学部屋

数学の楽しさを、現役メーカーエンジニアが伝授するぞ!

平成の東大理系後期数学 -1995年-

このシリーズでは、東京大学の後期の数学の問題を解いていきます。

 

13回目の今回は1995年です。

 

第1問

 

2項係数の和に関する問題です。

 

(1)「nCr=n-1Cr + n-1Cr-1」という式を知っているか否かを問う、「知識問題」と呼べる問題です。

この式は、アイドルの選抜を思い浮かべると理解しやすいかもしれません。

n人のアイドルからk人を選ぶ方法は、センターを除いたn-1人からk人を選ぶ方法と、センターを必ず選び残りのn-1人からk-1人を選ぶ方法を、足したものになりますね。

 

この式を利用して調整してあげると、Pn+1=Pn+Rn, Qn+1=Qn+Pn, Rn+1=Rn+Qnが求まります。

 

(2) Pn+Qn+Rn=2^nを利用して、(1)で求まった3つの漸化式をPnだけの式にまとめるとよいでしょう。3つ飛びの漸化式なので、nを3で割った余りによる場合分けが発生します。Qn, Rnについても同様です。

 

(3) (2)ができていれば、瞬殺です。

 

<筆者の解答>

 

第2問

 

三角形の面積を最大化する問題です。

 

条件を満たすには、A~Cが、EかFの中にいればよいわけです。

 

(1)上記を考えれば自明です。EUFの中でA~Cが境界線に来るまで三角形ABCを拡大できることを言えばいいでしょうか。

 

(2)FにABと平行に接線を引いた接線をCとすれば、それが最大となる候補です。あとはF自体を回転してあげればよいでしょう。

 

(3) (2)の結果からpを固定したときのSの最大値は求まるので、あとはpを動かして最大化してあげます。道具は微分でよいですね。

 

<筆者の解答>

 

第3問

 

確率の問題です。

 

Aの手持ちがa1<a2, Bの手持ちがb1<b2の2枚ずつだとして議論を進めていきます。

 

(1) a1,a2,b1,b2の大小関係が6通りあるので、それぞれについて出す手順を調べていきます。このとき、「各々が得点が最大になるようにカードを出す」という設定が重要で、Bは、Aが1回目に出したカードに対し、

・2枚とも上回っていれば(2回目に有利になるように)低い方を出す、

・1枚だけ上回っていればそっちを出す

・2枚とも下回っていれば(2回目に有利になるように)低い方を出す、

という出し方になることに注意です。

 

(2) 上記の大小関係6通りは等確率で起こるので、期待値の計算は容易です。

 

(3) a1の値が1~6の6通りがあるので、大小関係6パターンを実現するBの餅札の選び方を調べて、確率を計算していくほかないでしょう。やることは単純ですが、かなり時間がかかります。

 

<筆者の解答>