ちょぴん先生の数学部屋

数学の楽しさを、現役メーカーエンジニアが伝授するぞ!

平成の東大理系後期数学 -1996年-

このシリーズでは、東京大学の後期の数学の問題を解いていきます。

 

12回目の今回は1996年です。

 

第1問

 

場合の数の問題です。「ボールの区別の有無」「箱の区別の有無」と設定がややこしいですね。

 

(1)これが一番単純なパターンです。各ボールにつき、入れ方が3通りあります。

 

(2)ボールに番号がないということは、A~Cの各箱に入る個数だけに注目すればいいわけです。この手の場合の数は、仕切りを入れて横一列に並び変える方法、として調べるのが定石です。

 

(3)今度は逆にボールの方が区別がつき、箱の区別がつかない場合です。これは(1)で考えた場合の数の重複度合いを考えてあげればよいでしょう。

 

ボールが1つの箱のみに入る時は3倍の重複が発生していて、ボールが2つ以上の箱に入る時は3!=6倍の重複が発生しています。

 

(4) ボールも箱も区別がつかない場合です。これは、6m個のボールをa個, b個, c個 (a≦b≦c)にわける方法を調べていくことになります。3文字を一気に考えるのは厳しいので、1文字を一旦固定して調べるとよいです。

 

<筆者の解答>

 

第2問

 

等面四面体に関する問題です。

 

(1) 実際に四面体を組んで、ベクトルで処理するのが良いと思います。内積については余弦定理から求まります。

 

(2) (1)から引き続き内積から「垂直」の関係を調べて・・・・でも行けるかもしれませんが、ここは「等面四面体=4つの面が全て合同な四面体」の性質を使うのが一番早いです。等面四面体は、対応する直方体から4隅の三角錐を切り取ることで作ることができます。

 

<筆者の解答>

 

第3問

 

微分方程式の問題です。

 

時刻tでのタンクの中の油面の高さをh、残存する石油の体積をVとすると、問題文の条件からdV/dt =-k√hと書くことができます(kは正の定数で、油の量はどんどん減るのでマイナスが付いています)。さらに積分を使ってVを直接hの式で書くことができるので、ここからhの微分方程式が求まる、という算段になります。

 

<筆者の解答>