東大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、名古屋大学の2014年の問題を取り上げます。
第1問
球を回転させてできる立体の体積を求める問題です。
全体を通じてですが、直線lをx軸、球Bの中心をz軸上において考えると考えやすいです。
(1)Bの中心と直線lを含む平面で球Bを切った断面を使って考えます。
(2)Bをlに垂直な面で切った断面を回転させたものが、体積を求める立体の断面になります。Bの断面は円となりますが、この円がlを跨ぐか跨がないかで状況が変わるので、場合分けして考えましょう。
<筆者の解答>
第2問
線分の通過領域を考える問題です。
まずは「直線」の通過領域を考えて、「線分の通過領域」である条件を追加しましょう。今回の場合は、必ずy=x^2の上側にある、-1≦x≦1に収まっている、です。
直線の通過領域は、直線PQの式をtの方程式とみなして、これが-1≦t≦0で実数解を持つ条件として求めます。
<筆者の解答>
第3問
外接円を次々に作っていく問題です。東大に似たような過去問があります。
(1)は、円の中心を使って三平方の定理を適用します。
(2)は、実質的にフィボナッチ数列の一般項を求める問題です。三項間漸化式の基本的な問題です。
(3)は、等比数列の部分が公比1になるようにkを調整しましょう。
<筆者の解答>
第4問
2で割って整数部分をとって、、、を繰り返してできる数列についての問題です。本セット最難問です。特に(3)がきついです。
(1)答案では、Nが2で何回割り切れるかで場合分けして調べています。ただ、(2)以降を考えると、a3 = 1から逆算するとa2は何になって・・・という思考で考えたほうが良かったかもしれませんね。
(2)ある自然数kで、ak =2 となった時に、ak-1がどの値になっていないといけないかを逆算して考えると、2ak≦ak-1≦2ak + 1でないといけません。
この関係を繰り返し使うと、2^k ≦ N ≦ 3*2^(k-1) -1 が示せます。kを固定して考えるとNは2^(k-1)個ありますが、kをどこまで大きくできるかを考える必要があります。
(3) (2)と同じように考えると、あるkでak = mとなるとき、Nの満たすべき範囲は、
m*2^(k-1) ≦ N ≦ (m+1)*2^(k-1) -1 となります。
このとき気になるのが、この範囲の中に2^100が含まれているのかどうかです。よって、2^100がm*2^(k-1) より大きくなるような最小のkをLとおいて、2^100と(m+1)*2^(L-1) -1の大小関係を調べます。
結果幸いににして、2^100>(m+1)*2^(L-1) -1 となるので、先のNの範囲に2^100が含まれないことがわかりました。
このとき、Nの総数は2^L - 1個あるので、確率が求まります。あとは、これが1/100以下になるためのLの条件を求めて、mを求めます。
<筆者の解答>