旧帝大の文系向けの過去問を取り上げます。理系との共通問題は理系の記事を参照して頂くこととし、基本は文系ユニークの問題のみ取り上げます。
この記事では九州大学の2002年の問題を取り上げます。
理系の記事はこちら↓
平成の九大理系数学 -2002年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)
第1問
円の接線に関する問題です。
(1)まさかの公式証明の問題です。(a,b)を通る直線の式をp(x-a)+q(y-b)=0とおいて、これと円が接するようなp.qの条件を求めましょう。
(2) a=cosθ, b=sinθとおいて、(1)で求めた接線と放物線が接する条件を考えましょう。
(3) 状況を図に描いて面積計算です。
<筆者の回答>
第2問
理系第2問との共通問題で、(3)の2の指数が具体的な数字になっただけです。
詳しくは理系の記事をご覧ください。
<筆者の回答>
第3問(a)
折れ線の長さの最小化問題です。
(1) 問題文のようにC'を取ればDC=DC'となるので、A,D,C'が一直線上にあればAD+DCは最小になります。
(2) OE=xとし、OE'=xとなるようにOA'上にE'を取れば(1)の状況になります。xを固定したときのFの位置は(1)から分かるので、xを動かしてAE'の長さを最小化しましょう。
直角であることを証明したいので、直角三角形が出現することを言えればよく、△AEFに注目するか、△OAE'に注目するかの2択になると思います。前者の場合は辺の長さが複雑になってしまうので、既知の長さの多い△OAE'に注目するとよいでしょう。
(3) (2)までの知見を使えば、OA'についてBと対称な点B'を取り、OBについてGと対称な点G'を取った時に、A,H,G', B'が一直線上に並べば折れ線の長さを最小にできると分かります。
<筆者の回答>
第3問(b)
チェビシェフ多項式に関する問題です。
(1)等式については、加法定理を使って右辺を直接計算することで証明できます。n次式で書ける件については、帰納法で証明するとよいです。
(2)こちらも(1)で求まったpnの漸化式を使って帰納法で証明します。
(3) pnの定数項はpn(0), pnの1次の係数はpn'(0)で計算できるので、(1)の漸化式からこれらの漸化式を作るとよいでしょう。pn'(0)の漸化式を作る過程で、少しだけ文系範囲を逸脱する作業、「xpn(x)の微分」をやっています。証明方法は、答案の方に注釈をつけました。
<筆者の回答>
第3問(c)
いわゆる「怠けた仕出し屋の数列」に関する問題です。
(1)n本目の線を追加すると交点が新しくn-1個できて、平面領域がn個新しくできます。
(2)(3)同様に、n本目の線を追加すると交点が新しく4(n-1)個できて、平面領域が4n-3個新しくできます。
<筆者の回答>
第4問(a)
理系第4問(a)問題とほとんど同じ問題で、長さと角度の設定が少し異なっています。
詳しくは理系の記事をご覧ください。
<筆者の回答>
第4問(b)
理系第4問(b)問題との共通問題で、(1)が追加されています(代わりに理系の(3)が省略されています)。
(1)については、ベクトルをイメージすると分かりやすいかもしれません。複素数平面において90°回転はiをかけることで表現できます。あとは縮尺を表す実数倍があればOKです。
(2)以降は理系の記事をご覧ください。
<筆者の回答>
第4問(c)
理系第4問(c)問題との共通問題です。詳しくは理系の記事をご覧ください。