このシリーズでは、平成の九大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
17回目の今回は2003年になります。
第1問
関数の概形を描く問題です。
(1)実質的にf(x)の符号がどう変化するかを調べる問題です。分子の符号と分母の符号が入り混じるので、慎重に調べましょう。
(なんでbf(a)<0にしたんでしょうね?bf(a)>0の方がbとf(a)の符号が一致して分かりやすいと思うのですが)
(2)実質的にf'(x)の分子に出てくる4次方程式を解く問題です。複2次式なので解くこと自体は難しくないと思いますが、2重根号を外す作業が必要です。
(3) f(x)は奇関数なので、x>0の増減だけ考えればOKです。(2)の答えと1,2との大小関係に注意して増減表を描きます。
漸近線に関しては、f(x)の式を割り算してあげればよいでしょう。
<筆者の解答>
第2問
4次関数、3次関数を決定する問題で、分量の多い難問です( (1)だけでも大問として成立するレベルです)。
(1) (i)からf(x)は偶関数なので、偶数次しか残りません。その下でf(x)=0の実数解をx=±α, ±βとするとf(x)=a(x^2 - α^2)*(x^2 - β^2)とかけるので、あとは極値の条件からa, α, βを決定していきます。
ちなみにこのf(x)は、x=cosθとすると、cos4θの式になっています。
(2) この問題については、申し訳ありません。最後まで解き切れませんでした。
g(x)のグラフを描いてあげると、0~1で積分すると0になるし、p1~p3で積分しても0になることが、(iii)から分かります。
それをヒントに条件を整理すると、p2=1/2となり、p1=1/2-t, p3=1/2+tとかけることが分かります。ここまでは図形的に想定通りでした。
あとは、S1:S2=1:2を使ってp1を求めに行くと、最終的にp1の4次方程式となるのですが、この4次方程式がどうしても解けなかった、という顛末になります。おそらく何かしら計算ミスをやらかしたのだと思い何度も検算したのですが、同じでした。。。(他に解法もなさそうなので、詰みですね)
もし計算ミス等ありましたら、是非ご指摘ください。
<筆者の解答>
第3問
確率の問題です。
(1)PがAに到達するときに、何手で初めて到達するかで場合分けして考えます。
2手の場合はすぐに確率を計算でき、3手の場合はそもそも存在しません。
問題は4手の場合で、4手かけてAに到達する玉の出方を全て列挙するのですが、その中に2手目で既にAに達している物が含まれているので除外する必要があります。
(2) (1)ができていれば、あとはそれぞれで何点取るかを考えれば期待値を計算できます。
<筆者の解答>
第4問
抽象的な関数に対して考察する問題です。
(1) y=f(x)とy=xが交点を持たないと仮定して矛盾を導く背理法で証明します。
交点を持たないとすると、常にf(x)>xとなるかf(x)<xとなるかです。前者の場合にはx=1で矛盾し、後者の場合にはx=0で矛盾します。
(2) α=f(α)となる実数αを取ってくると、中間値の定理を使ってxnがαに収束することが証明できます。決め手ははさみうちですね。
<筆者の解答>