このシリーズでは、京都府立医科大学の数学の問題を解いていきます。
17回目の今回は2006年です。
(手書きでの問題文を提供して下さったせがわさん、ありがとうございます!)
第1問
線対称な4次関数に関する問題です。
(1)y=f(x)がx=pについて対称だとすると、f(p+x)=f(p-x)が常に成立するので、これがxの恒等式となる条件を調べていきます。
「f(x)=f(2p-x)が恒等式になる」で攻めてもよいのですが、両辺が対称になる上記の方が式の処理が楽になります。
(2)y=f(x)がx=pについて対称なので、f(x)は(x-p)^2の式で整理できそうです。
ということで、(x-p)^4, (x-p)^2をそれぞれ計算してうまく定数倍して足すとf(x)の形ができるのでは、と考えてつじつまを合わせていきます。
<筆者の解答>
第2問
立方体の平面による切り口の面積を求める問題です。
αの式を計算して、立方体の各辺とαの交点を虱潰しに調べていくとお目当ての図形が求まります。
3つの三角形を合わせたものになるので、ベクトルを使った公式を使うもよし、3つの辺の長さが全て計算できるのでヘロンの公式を使うのもよしです。答案では後者を使っています。
<筆者の解答>
第3問
中間値の定理に関する極限の問題です。
とりあえずは与式の左辺等辺を計算して、g(t)とt,aの関係式を調べることが第1歩です。
その状態でt→0とすると、g(t)の2次の項が消えてg(t)の1次の項と定数項だけが残るわけですが、この1次の項の係数が0か否かで事情が変わってきます。なので、それによる場合分けが発生することに注意しましょう。
<筆者の解答>
第4問
(1)左辺にf''(t)があることに注目して、部分積分を適用していきます。
(2) (1)というヒントがなければ結構厄介な積分になるのですが、(1)があるおかげで、f(t)+f''(t)=te^tとなるf(t)を探すだけで済むようになります。右辺が1次式×指数関数になっているので、f(t)自体もその形になっていそうです。ということでf(t)=(at+b)e^tとおいてaとbを確定させましょう。
(1)を使わない方法としては、xとe^x×sinxに分けて部分積分を行うことになります。といってもe^x×sinxの原始関数の計算自体が面倒です。
<筆者の解答>