ちょぴん先生の数学部屋

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平成の一橋後期数学 -2009年-

このシリーズでは、平成の一橋数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。

 

一橋の後期は文系向けにも関わらず数Ⅲが出題範囲に含まれています。なので、どうしても数Ⅲの知識が不可避な問題については「※数Ⅲ必須」とコメントを付けておきます。数Ⅲやってないよ、という文系志望の方は、このコメントのない問題を中心に見ておけばよいと思います。

 

26回目の今回は2009年になります。

(問題未入手だった分の補充です。問題を提供して下さったせがわさん、ありがとうございます)

第1問

整数問題です。

 

α^3 +β^3 とαβが綺麗に計算でき、そこからα+βも計算できます。これらを利用してα^n+β^nの漸化式を考えればよいでしょう。

 

<筆者の解答>

 

第2問

3次関数に関する問題です。

 

(1)右辺ー左辺を素直に計算していけばよいです。

 

(2) f(x)の増減を微分で調べると、x=bで極小値を取ることが分かります。この極小値が負になる場合があるので、その場合分けが発生します。

 

<筆者の解答>

 

第3問

線分の長さを計算する問題です。

 

一見すると「方べきの定理」っぽいですが、うまくいきません。

直線AP, BPの式からC,Dのx座標を求めることが第1歩です。ここからy座標を計算するのもありですが、式が煩雑になります。今回は斜辺の長さを知りたいだけなので、直線の傾きさえわかれば、x座標の差だけで斜辺の長さが計算できます。

 

必要な線分の長さをこうして全て求めて、代入すればお終いです。すると、なんとtに依存しない式になります。

 

<筆者の解答>

 

第4問

確率の問題です。

 

(1)まずは、ルールに基づいてan~fnの漸化式を全て作ります。その上で、bn-fn, cn-enがどうなるかを調べましょう。

 

(2) (1)の結果を使って漸化式を簡単にして、sn, tnの漸化式→sn-tnの漸化式、という形で進めればよいでしょう。

 

(3) (2)の結果を使ってtnを消去してsnの漸化式を解けばOKです。

 

<筆者の解答>

 

第5問(Ⅰ)

選択問題の片割れで、放物線の2つの接線に関する問題です。

 

放物線のx=pでの接線が(a,b)を通る条件を調べ、そうなるpについての条件を考えていきます。

なす角についての処理ですが、答案では方向ベクトルの内積で処理しています。通常ならtanの加法定理を使う所ですが、大小関係の規定など考えることが多くなってしまうので、内積での解法を選択しています。

 

結果は、双曲線(の上側)の式ですね。

 

<筆者の解答>

 

第5問(Ⅱ) ※数Ⅲ必須

不等式評価の問題です。

 

(1)x=0で考えればよいです。

 

(2)中辺-aをf(x)として、0≦x≦1でのf(x)のグラフの形状を考えましょう。このグラフが上下で挟めるような、原点を通る直線の傾きを視覚的に調べればよいでしょう。

 

<筆者の解答>