ちょぴん先生の数学部屋

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平成の一橋後期数学 -1994年-

このシリーズでは、平成の一橋数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。

 

一橋の後期は文系向けにも関わらず数Ⅲが出題範囲に含まれています。なので、どうしても数Ⅲの知識が不可避な問題については「※数Ⅲ必須」とコメントを付けておきます。数Ⅲやってないよ、という文系志望の方は、このコメントのない問題を中心に見ておけばよいと思います。

 

25回目の今回は1994年になります。

(問題未入手だった分の補充です。問題を提供して下さったせがわさん、ありがとうございます)

第1問

整数問題です。平方数を3,4で割った余りが0か1になることを利用していきます。

 

(1)a~cが全て3の倍数だとdが3で割り切れてしまうので、3の倍数の個数が2個以下なことはすぐに分かります。そこから、3で割った余りを考えたときに整合性が取れるのが、「3の倍数が2個」だけなことを確かめていきます。

 

(2) (1)の結果から、a~cのうち2つが3の倍数になることが分かります。このとき、その二つがともに奇数だと仮定したときに矛盾することを示す背理法で考えていきます。ここでの手掛かりは、平方数を4で割った余りです。

 

<筆者の解答>

 

第2問

円に内接する四角形に関するベクトルの問題です。

 

(1)ACで区切ってできる2つの三角形について余弦定理を使っていきます。円に内接する四角形の性質から、「対角の和は180°」となります。

 

(2) AB=7, BC=7という2つの条件からs,tの2つの方程式が求まるので、それらを連立すればOKです。ただし、計算はかなり面倒です。

 

<筆者の解答>

 

第3問

共通接線に関する問題です。

 

y=x^3のx=tにおける接線が、y=x^2+x+cにも接する条件を考えると、結局2次方程式が重解を持つ条件に帰着します。

 

この条件はtの4次方程式になるので、この4次関数のグラフを考えることで、この方程式が4つの実数解を持つようにcを決めていきます。

 

<筆者の解答>

 

第4問

3次関数に関する面積の問題です。

 

aの値によって、曲線の正方形への入り方が変わるので場合分けをする必要があります。それに注意して面積をaの式で計算し、それが1/2になるという方程式を解けばOKです。

 

<筆者の解答>

 

第5問

確率の問題です。

 

Snを4で割った余りが1,3になる確率rn, snを新たに設定すると考えやすくなります。そこからは、

1. pn~snの漸化式を立てる

2. pn+qn+rn+sn=1を使ってrn, snを消去する

3. pn+qnを漸化式から求める。

4, qnを消去してpnを求める

という1本道の問題です。

 

<筆者の解答>