このシリーズでは、平成の九大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
21回目の今回は1999年になります。
第1問
漸化式に関する問題です。
(1) 典型的な2項間漸化式です。
(2) xnの極限を調べればOKです。
(3) xn+1-xnを計算すればlnが求まり、等比数列になります。
<筆者の解答>
第2問
関数の接線と、面積に関する問題です。
(1) x=tでの接線を調べて、その傾きがaになるようなtを求めてあげればよいでしょう。
(2) f(x)は下凸なので、接線は必ず下側にきます。なので特に困難もなく積分計算できます。計算すると、面積はcによらない定数になります。
(3) 接線と原点との距離の2倍がDになります。
<筆者の解答>
第3問
虚数解を持つ実数係数方程式に関する問題です。αとβがなんとも意味深な値になっています。
(1)αを解に持つ実数係数2次方程式は、αの複素共役も必ず解に持ちます。それを利用すればよいでしょう。
(2) (1)と同じようにβを解に持つ2次方程式を調べて、(1)の方程式と掛け算してあげれば4次方程式が作れます。
(3) (2)の4次方程式の左辺は、よく見ると初項x^4, 公比4/xの等比数列の和になっていることに気付きます。これを利用すると、(2)は非常にシンプルな5次方程式に出来ます。
α, βの式が、実はα=4*(cos72°+isin72°), β=4*(cos144°+isin144°)だと気付ければ、β^5の値が4^5だとすぐに予想できたのではないでしょうか?
<筆者の解答>
第4問
確率の問題です。
玉を戻さない設定なので、「一度に複数個取り出す」と考えると見通しがよくなります。
(1)最初の3回で赤が1回、白が2回出てくればよいわけです。
(2) (1)と同じ考え方で良いでしょう。
(3) pの分子と分母がnの何次式で、最高次係数が何なのかを調べれば十分です。n→∞では、両者の次数が揃っていれば最高次の係数だけ気にすればよいからです。
<筆者の解答>