ちょぴん先生の数学部屋

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平成の一橋後期数学 -1993年-

このシリーズでは、平成の一橋数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。

 

一橋の後期は文系向けにも関わらず数Ⅲが出題範囲に含まれています。なので、どうしても数Ⅲの知識が不可避な問題については「※数Ⅲ必須」とコメントを付けておきます。数Ⅲやってないよ、という文系志望の方は、このコメントのない問題を中心に見ておけばよいと思います。

 

21回目の今回は1993年になります。

※1994年は問題が入手できなかったので、出来次第後日解くことにします。

 

第1問

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2次方程式の解の四捨五入を考える問題です。

 

四捨五入したら0.3になる数は0.25以上0.35未満、0.7になる数は0.65以上0.75未満となるので、解と係数の関係を使って、解がそうなるようなm,nの候補を絞っていきます。

 

候補を絞ったら、虱潰しに解を調べる他ないでしょう。

 

<筆者の解答>

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第2問

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一次変換の問題です。

 

円の半径を1にしてa=(1,0)とすると見通しがよくなります。

 

(1)図を描けばb=a+cとなるので、これを利用してTcを計算します。

 

(2) Tを直接計算する方法(本解答)と、T^2+Tを一塊と見なしてaとbに掛け算する方法(別解)があります。おそらく出題者の意図は後者で、後者の方が楽だと思いました。

 

<筆者の解答>

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第3問

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極値の条件から3次関数を決定する問題です。

 

まずx=α,βで極値を取ることから、これらはf'(x)=0の解であることが分かり、解と係数の関係からα+βとαβをa,b,cの式で書くことができます。

 

そして、直線の条件から3つα,βの方程式ができます。それを処理しつつ上記の解と係数の関係を使えば、a,b,cに関する3つの方程式が出来上がるので、それらを連立すればOKです。

 

<筆者の解答>

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第4問

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多項式の増減に関する問題です。奇しくも翌年の東大前期の第1問に似たような問題が出題されています。この問題を参考にしたんですかね?

 

全体的に発想力が必要な難しめの問題だと思います。

 

(1)実際にx=-1を突っ込んでみると、隣り合う項同士で、「分母が偶数の項+分母が奇数の項>0」に気が付くので、nの偶奇で場合分けして証明します。

 

(2)こちらについては、隣り合う項同士で「分母が奇数の項+分母が偶数の項」と区切るとうまく証明することができます。(1)と違う区切り方をしないといけないことに気付かないといけないので厳しい所ですね。

 

(3) fn(x)を微分すると初項1公比xのn項分の等比数列の和になるので、nの偶奇で場合分けして、fn(x)の増減を調べましょう。そこに(1),(2)の結果を絡めれば、fn(x)=0の実数解がいくつあるかが判明します。

 

<筆者の解答>

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第5問

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空間内の三角形の面積についての問題です。

 

Pの座標をパラメータ表示できれば、それをつかって△OPCの面積が表現できるので、その増減を調べます。実質2次関数の平方完成に帰着できます。

 

<筆者の解答>

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