ちょぴん先生の数学部屋

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21世紀の奈良県立医大後期数学 -2021年-

このシリーズでは、奈良県立医科大学の後期の数学の問題を解いていきます。

 

2回目の今回は2021年です。

第1問

曲線が接する条件と面積の計算問題です。

 

(1) Pでのyの値と微分係数の値が一致するようにしていきます。

 

(2)ごくごく簡単な積分計算で済みます。

 

<筆者の解答>

 

第2問

分数型の漸化式を解く問題です。

 

(1)α, βを直接求めてa-cβを計算すればよいでしょう。この設問によって、(2)のとある操作が正当化されます。

 

(2)ynの式に、xnの式を代入してynだけの漸化式に帰着させます。ynの形を無理やり作るためにxnの係数を追い出すことになるのですが、そうするとa-cβとa-cαが分母に残る形が出現します。この操作を正当化するために(1)があったというわけですね。

(※a-cαについては調べていませんが、(1)と同様に0にならないことを調べられます。こちらは分子を有理化するとad-bcが出現し、定義から0になりません。)

 

あとは、元の2次方程式の性質を使うことで、綺麗にynを出現させられます。

 

(3) ynの公比となる(a-cα)/(a-cβ)の値の範囲(具体的には-1や1との大小関係)を調べると、絶対値1未満になることが分かります。ここからynの極限値が分かり、xnの極限値が分かることになります。

 

<筆者の解答>

 

第3問

整数問題です。

 

(1) d=(m+n, m)と置いたとき、互いに素な整数A, Bをつかってm+n=Ad, n=Bdとかけます。ここから、(m,n)がdになることを説明します。

 

(2)発想力が必要な問題です。

階乗ばかりが登場してて、もし番号が1つズレてて(m+n)!だったら「2項係数」が使えそう、と思いつけば半分くらいは前進するでしょう。

 

ここから(m+n-1)!は、少なくともm!×(n-1)!で割り切れることが分かります。あとは、残った二項係数m+n-1Cn-1がnで割り切れれば目的達成です。

 

ここで、(1)の結果から、mとnが互いに素→m+nとnも互いに素、と言えることになるので、それを生かしていきます。

 

2項係数をうまく調整すると、n×(m+nCn) = (m+n)×(m+n-1Cn-1)となり、前述のとおりnとm+nが互いに素なので、m+n-1Cn-1がnの倍数だと示すことができます。

 

<筆者の解答>

 

第4問

条件証明の問題ですが、正直意図が掴めない問題です。

 

TもSも連続的でない離散的な要素の集合なので、「x>β」という条件が課された要素を集めると、その中に必ず最小値があることになります。その最小値がx=β+γであれば、他の要素もx≧β+γと言えます。(2)についてもβを0、γをhとすれば全く同様です。

 

T, Sの具体的な中身に関係なく題意が示せてしまうので、正直解いてて「???」な問題でした。

 

<筆者の解答>