このシリーズでは、平成の一橋数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
一橋の後期は文系向けにも関わらず数Ⅲが出題範囲に含まれています。なので、どうしても数Ⅲの知識が不可避な問題については「※数Ⅲ必須」とコメントを付けておきます。数Ⅲやってないよ、という文系志望の方は、このコメントのない問題を中心に見ておけばよいと思います。
20回目の今回は1995年になります。
第1問
整数問題です。
B(0,b)としてABとOとの距離を計算すると、√(b^2 +15^2)が整数になるbが何かを調べることに帰着します。これは因数分解により調べられます。
bの候補を絞ったら、あとは実際に距離が整数になるか否かを逐一調べればよいでしょう。
<筆者の解答>
第2問
一次変換を調べる問題です。
任意の直交する2直線を直交する2直線に移す、といっているので、直交する2直線の代表例としてx=0とy=0、y=xとy=-xを考えてfを表す行列の候補を絞ってしまいます。
こうして出来上がる連立方程式は、三角関数を挟んでやらないと解くのが大変です。
候補を絞ったら、本当に「任意の直交する2直線を直交する2直線に移す」をみたしているか、十分性を確認しましょう。
<筆者の解答>
第3問
3次関数と2次関数の交点と、囲む面積を計算する問題です。
CとC'はaによらずx=0で交わります。あとは、連立させてできる残りの2次方程式がx=0を解に持つか、重解を持つかのいずれかであれば題意を満たします。
面積の積分計算は、オマケレベルです。
<筆者の解答>
第4問
f(x)=ax^2 + bx +cを代入してみると、a,b,cによらずに恒等式が成立するには、f(x)=1の場合、f(x)=xの場合、f(x)=x^2の場合の3通りを考えれば必要十分だと分かります。
<筆者の解答>
第5問
体積計算の問題です。
(1) x=y=z上の点(u,u,u)とPとの距離が最小になるようなuを求めてあげればよいでしょう。
(2)これは、(1)がヒントになっていると気付けないと超難問になってしまいます。
考える立体を単純に平面z=〇で切った断面を・・・と考えてしまうと、双曲線と直線の交わりを考えないといけなくて、場合分けと面積計算がかなり煩雑になってしまいます。
そこで、(1)で登場した直線x=y=zに垂直な平面で切った断面を考えることが大きな近道になります。その平面はx+y+z=pとかけて、問題文の条件から1≦p≦4と条件がかなりシンプルになります。
その上でこの平面上にある点P(a,b,c)がs=ab+bc+ca≧0を満たしているんだとすると、直線x=y=zとPとの距離は、(1)の結果から最大値がpだけの式で書けます。
距離の最大値がPの位置によらず平面だけで決まる一定値なので、考える立体の断面が円になることが分かります。
こうなれば、体積計算は容易です。
<筆者の解答>