理系数学の最難関の一角、東京工業大学の2002年の問題を取り上げます。
第1問
積分を使った関数の最小値を求める問題です。
言うまでもなく絶対値を外すのが最優先課題です。aの値によって場合分けが発生するので、xの範囲が0~π/4であることに注意して計算していきましょう。
f(a)の積分を計算し終わればaで微分して増減を調べることに帰着します。
<筆者の解答>
第2問
楕円に接する、直交する2直線の交点の軌跡を考える問題です。
まず2本の接線が、軸に平行になる場合とならない場合に大きく2分されるので、軸に平行になる場合を先に例外処理してしまいます。
軸に平行にならない場合については、アプローチがいくつかあります。
筆者は最初に、先に接線を準備して後から交点を考えようとしましたが、直交する条件の処理に行き詰まり、頓挫する羽目になりました。。。
ここは、先にPを通る直線を準備して楕円に接する条件を考えたほうが賢明でした。
最初に例外処理した点を合流させて答えが求まります。
<筆者の解答>
第3問
正三角形の影の面積を考える問題です。
今回の問題設定はz軸周りに回転対称なので、B,Cをx軸対称に揃えてあげると計算が楽になります。
LによるA,B,Cの影をA', B', C'とすると、影は△A'B'C'となります。よって、A', B', C'の座標を求めてあげれば面積の計算ができます。ベクトルの知見を使って座標を求めましょう。
面積の最大化については、変数変換して微分するのですが、想像以上に複雑な計算となります。
<筆者の解答>
第4問
極限の計算問題です。
(1) これは「調和級数が無限大に発散する」という有名なテーマで、y=1/xの面積を使ってΣを評価しはさみうちに持ち込みます。
(2) f(x)を微分した形を想像すると分数を使って書けることが分かります。それを使えば与式は証明でき、1/xnと1/(1-xn)の2つだけを特別視すれば不等式の方も求まります。
(3) 逆数を取ると、(1), (2)を使ってはさみうちの定理に持ち込むことができます。
<筆者の解答>