このシリーズでは、東京医科歯科大学の数学の問題を解いていきます。
21回目の今回は2002年です。
第1問
点の領域についての問題です。
(1)~(3)の全てにおいてA,Bの座標とP(x,y,0)を代入してx,yの条件を整理するのが主な作業です。
(1)では円、(2)では楕円の式が出てくるので楽なのですが、問題は(3)です。
(3)で式を整理すると、x^2, y^2, xy, x,y,定数項が混在した式が出て来ます。特に厄介なのはxyの存在です。このせいでDがどんな図形なのかが一見して分からず、かといってyについて解いても汚い式になるだけで面積計算が見通せないので、ここで詰んだって人が多かったのではないかと予想します。
要求されているのはあくまでDの面積だけなので、「Dと合同な図形を調べる」に焦点を絞ってみることにします。
まず、x,yといった1次式の存在が邪魔なので、適切に平行移動することで1次式を消去できないかと考えるわけです。平行移動をしてもDの面積は変わりません。それでもxyが残ってしまって分かりにくいので次の策を考えます。
Dの面積を変えることなく移動させる方法は、平行移動のほかに「回転移動」があります。この回転角度をうまく設定すればxyが消去出来て2乗の項だけが残せるのでは、と考えるわけです。
こうしてDを平行移動+回転移動させると、Dの正体が楕円であることが分かります。
こうなれば面積計算は簡単です。
ノーヒントで平行移動と回転移動の両方を要求される、難しい問題でした。
<筆者の解答>
第2問
3次曲線に関する問題です。
(1)2回微分するだけの簡単な問題です。
(2) PでのCの接線とCの式を連立するとQの座標qがpの式で求まり、同じ方法でrがqの式で求まります。(1)の結果は全く使いませんでしたね。。。
<筆者の解答>
第3問
積分を使った関数列の問題です。
n乗の中身がx-tという複雑なものだと積分計算がしにくいので、あらかじめs=x-tと変数変換しておくと、複雑さを指数関数側に押し付けることができて、なおかつe^xを積分の外に出せてシンプルになります。
(1)(2)部分積分を使って計算していきます。
(3) 積分の形を微分すると、積分の中身にx-1を突っ込む形になります。
(4) (2)と(3)の結果が同じなのでfn(x)を消去できます。そうして得られる関係式を繰り返し使っていきます。
<筆者の解答>