私立最難関の一角、慶應義塾大学の医学部の問題を取り上げます。今回は2012年の問題です。
第1問
小問集合です。
(1)3項間漸化式の問題で、基本問題ですね。
(2) OB' = OC' =2OB, OB'とOC'のなす角が60°という情報を使ってa~dの連立方程式を解きます。
(3)パラメータ表示された曲線に関する問題で、e^t=, e^(-t)= の形にすればtを消去できます。接線の傾きは、dy/dx = dy/dt ÷ dx/dt を使えば計算できます。
(4) f'(x)を計算して増減を調べればよいでしょう。極限計算は対数を取って、微分の定義を使用します。
<筆者の解答>
第2問
確率の問題です。最初に各点間の移動の仕方を図にまとめておきます。
(1)3回分の移動の仕方を調べて図にするとよいでしょう。
(2)AUBを実際に絵に描いてみると、y=±xの上側かつ原点を含まないエリアとなります。「原点を含まない」というのが最大のポイントで、この縛りによって、「Pはずっと正orすっと負」「Qはすっと正」という縛りが入ることになります。
(3)1回目の操作では必ずPQ=√2になるので、以降PQ=√2にならない場合を調べればよいことになります。
(4) (3)と同様に3回目までにPQの長さがどうなるかを全て調べて確率分布を計算します。
<筆者の解答>
第3問
放物線の法線に関する問題です。
(1)これは基本問題です。法線の式を求めてy=x^2と連立すればQが求まります。
(2) l1とl2が直交することから、円周角の定理でRは直径PQの円周上にあることが分かります。よって、∠QPR = 45°のときに△PQRの面積が最大になります。tの値はこの事実を使えばtanの加法定理で求まります。
(3)TP・TQ<0 を素直に4次不等式として解きます。
(4) Rの座標を直接tの式として求めてy<x^2に代入して解く方法もありますし、(3)の結果を使って、(2)で考えた円とy=x^2の位置関係を図形的に把握する方法もあります。後者については、TP・TQ<0 のとき∠PTQは鈍角なので(2)の円の内側にある、という性質を使います。
<筆者の解答>
第4問
極方程式で書かれた曲線の回転体の体積を求める問題です。
(1) 円錐の体積も利用して積分計算します。
(2) V(α)を直接計算するのが難しいので、微分から考えています。αをほんの少しだけ大きくしたときは「扇形の半径がほぼほぼ変化しない」と見なせるので、(1)の結果を用いつつ、微分の定義が利用できます。微分が求まれば、V(α)は積分の形で書けます。
(え)については、図形全体をうまく回転させると回転軸をx軸にできて(う)に帰着できます。
(3) f(θ)に具体的な式を代入して積分計算を実行します。
<筆者の解答>