理系数学の最難関の一角、東京工業大学の2001年の問題を取り上げます。
第1問
積分を使った関数の増減、および極限の計算問題です。
(1) 絶対値の中身の符号が切り替わるxが0~aの間にあるか否かで場合分けは発生し、具体的にはtの値で場合分けして絶対値を外して計算します。それが済んだらtで微分すればよいです。
(2) (1)ができれば標準レベルの極限ですが、微分の定義を使う場面が登場します。
<筆者の解答>
第2問
点が到達しうる原点からの最遠点を考察する問題です。これは難問ですね。
z=0を境にして動く速さが変化するので、z≦0は水中、z>0は空気、のようなシチュエーションを想像すればよいでしょうかね。以下の解説でもこの例えを使います。
点Pが水中だけ、あるいは空気中だけを動く場合は超簡単です。到達しうる最遠部は半径がaないし1の半球面です。
問題は、Pが水中と空気中の両方を通過する場合です。仮に水中と空気中を何度も行き来するのだとすると、その分ロスになってしまい最遠部に到達できません。
よって、途中までは水面(z=0)だけを進んで、途中から空気中に飛びだす場合を考えればよいことが分かります。(途中から水中にもぐる場合は、水中だけを動く場合に帰着できます)
すると空気中に飛びだす時刻tに依存した半球面ができるので、それの通過領域を考えることになります。
これで、立体の全容が把握できたことになるので、回転体の体積を使って体積を計算しましょう。
<筆者の解答>
第3問
確率の問題です。
(1) X1=kとなる確率、X2=kとなる確率、などを順に考えてあげるとよいでしょう。
(2) 1~3の3つの数字を使って、何個の数字を足せば4,5になるかを考えればよいでしょう。
(3) (1)の結果でおよそ答えが予想できますが、同じように考えていきましょう。
Xj = k となる確率を計算すればよいのですが、これは「k個のボールを仕切りを入れてj個のグループに分ける場合の数」を考えるとうまくいきます。
<筆者の解答>
第4問
正方形を折ったときのダブりを考察する問題です。2017年の第3問ははみ出した部分について考えましたが、それよりは楽です。
まずはどう正方形を折れば「線対称な5角形になるか?」を考えましょう。折り目の辺との交点がどの点に出現するか?正方形の中心を通るか通らないかで場合分けすると必要十分です。
結果、正方形の中心を通って辺と平行にならない折り目で折るとよいことが分かります。
これをもとに丁寧に図を描いて、角度をパラメータにして面積を計算して、微分処理する流れになります。
<筆者の解答>