ちょぴん先生の数学部屋

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平成の東工大数学 1992年

理系数学の最難関の一角、東京工業大学の1992年の問題を取り上げます。

第1問

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分数関数の取りうる値の範囲を調べる問題です。

 

分数関数を考える上では、分母=0となる瞬間があるかないかが極めて重要です。もし分母=0となると、分子=0とならない限り必ず発散してしまうので、1以外の整数値を余裕で取ってしまうので、不適だと言えます。まずはこうなってしまうkを除外しましょう。

 

分母=0になる可能性を排除出来たら、あとは素直に微分して増減を調べてあげればよいでしょう。極小値が0より大きい、極大値が2より小さいkの条件を考えればよいです。

 

<筆者の解答>

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第2問

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1次変換についての問題です。

 

条件(2)については長ったらしいですが、要するに「Xとy=xとの距離」=「X'とy=xとの距離」が常に成り立つ、という意味です。

 

X'(s,t)とおいて、(1)からs,tをx,yの式で書き、(2)を処理してx,yの恒等式に持ち込めばよいでしょう。

 

<筆者の解答>

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第3問

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放物線と直線で囲まれる面積を計算する問題です。東工大にしては超絶簡単な問題です。

 

まず放物線と2点交点を持たないといけないので、lがy軸平行となるケースは考えなくてよいです。よってlの式をy=m(x-1)+c と書くことができます。

 

解と係数の関係を使って面積をmの式で求めて最小化すればよいでしょう。

 

<筆者の解答>

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第4問

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不連続な関数列に関する問題です。

 

(1) とりあえず実験してね、という問題です。f1,f2のグラフを描いて検討すればミスなく検討できると思います。この時点で規則性を見破りたいところです。

 

(2) (1)の結果からfn(x)の式を求めることができます(答案では、証明は省いております)。すると、m≦nのときはfn(p)=0となることが分かり、n→∞の場合を最終的に考えるので、m>nの場合は考えなくてよいことになります。

 

<筆者の解答>

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第5問

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積分の計算問題です。

 

(1) In - In-1 を素直にごり押しで計算します。分母のcosxが邪魔なので、これをうまく約分できるように式変形を進めましょう。

 

(2) (1)の結果を使えば実質I1を計算するだけで良くなります。I1の計算も容易いです。

 

<筆者の解答>

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