ちょぴん先生の数学部屋

数学の楽しさを、現役メーカーエンジニアが伝授するぞ!

茨城高校野球部、感動をありがとう!

皆さま、こんにちは。

 

今回は、全く数学とは関係ないお話をしたいと思います。

 

先日高校野球茨城県大会で、甲子園常連の強豪校である常総学院を破るジャイアントキリングを成し遂げ話題になった茨城高校は、何を隠そう私の母校なのです!

【茨城】常総撃破で「茨城高校」がツイッターのトレンド入り! 偏差値70 “球界の寝業師”も学んだ私立伝統校 : スポーツ報知 (hochi.news)

 

私が在学していた15~20年前の時点では、初戦敗退orよくて2回戦敗退が当たり前の弱小野球部でした。スポーツ推薦を行ってない学業優先の進学校なので当然です。

 

そんな野球部が準々決勝まで上がること自体が奇跡であり、なおかつあの常総に勝ったというのは本当に奇跡だったわけです。昨日の明秀日立戦は惜しくも負けてしまいましたが、昨年の甲子園出場校である明秀相手に接戦するという素晴らしい試合をやってくれました。私の在学していた頃には全く想像のつかないほどに強いチームになったと嬉しい気持ちになりました。

 

ここまで強くなったのは、ひとえに岡部将也監督の指導の賜物なのだと思いますね。この岡部監督は実は私の同級生で、その点でも非常に嬉しかったですね。

(私は中学から在籍していた「一貫生」だった一方で、岡部監督は高校から入学した「高入生」であり、両者が初めて混合する高校3年生のときも同じクラスにならなかったため、ほとんど接点はありませんでしたけどね。。。)

 

いずれにせよ、スポーツ推薦もないような進学校の野球部が、スポーツ推薦や県外からの留学が当たり前な強豪校に勝つ、というのは多くの野球少年たちに希望を与えることになったと思います。

そして、地元ではよく知られた学校だが県外になった途端無名になってしまっていた「茨城高校」が、こんな形で全国的に話題になり知名度が上がったというのも、卒業生として嬉しいことです。

 

 

茨城高校の紹介

 

概要

茨城高校について軽く紹介すると、水戸弘道館をルーツとする、2027年で創立100周年になる結構歴史のある中高一貫の私立の学校です。通称「茨高」です。

※名前からして公立だと思われがちですが、正真正銘私立の学校です

↓公式HP

www.ibaraki-jsh.ed.jp

 

橋本昌茨城県知事、大畠章宏元経産大臣など茨城県・国政の著名な政治家が卒業生として有名で、芸能分野ではZガンダムの主人公カミーユ、ちびまるこちゃんの丸尾君で有名な声優の飛田展男さんが全国的にも知名度のある卒業生です。

茨城中学校・高等学校 - Wikipedia

 

創立当初からしばらくは男子校だったのですが、1995年から男女共学になりました。中学からも高校からも入学することができ、スポーツ推薦の類はなく基本的にはペーパーテストによる入試になります(学業絡みの推薦はあるかもしれませんが)。

 

中学は中学受験の文化が希薄な茨城県の中にあっては人気の高い学校で、高校は県内随一の公立校である「水戸第一高校」の滑り止めとして受験されるケースが多く、総じて学力は県内では高めと言えます。

茨城高校(茨城県)の情報(偏差値・口コミなど) | みんなの高校情報 (minkou.jp)

 

カリキュラム

 

中学で入学する「一貫生」は中学高校6年分を高2までの5年間で、高校で入学する「高入生」は3年分を高2までの2年間で学ぶカリキュラムを採用し、高校3年生で両者が同じクラスになり、大学受験の対策に丸1年費やせる格好になります。

 

この手の進学校には珍しく、「特進クラス」といった類の成績別のクラス分けを採用してないのが特徴で、むしろ各クラスの学力レベルが均等になるようにクラス分けされます。(科目によっては「習熟度別授業」が実施され、そこでフォローされます)

 

最近「国際教養コース」や「医学コース」が設置されたみたいですが、これらはクラス分けとは別の区分けで、前者は英語重視の授業+海外短期留学、後者は地元の医療関係者のサポートの元医療人としての心構えや教養を学ぶといったスタンスをとっているようです。

 

文系理系の選択は高2で、その各々に対して高3で「国公立志望」「私立志望」の選択を行います。

 

特徴的なのは、中学では月に一度指定された文学作品を一冊読んで感想文を書く課題が国語の授業で出されたり(私は本が嫌いだったので、あらすじだけ見て感想文を書く悪ガキでした笑。先生方ごめんなさい)、

理科の授業ではとにかく実験をたくさんさせてもらえます(カエルの解剖で内臓を見た途端失神しそうになったのはいい思い出笑。これで私は医者になる進路を捨て去りました笑)。個人的には化学の実験が楽しく、特に酸化銀の熱分解反応は今でも鮮明に覚えています。

 

部活

 

部活動は、とくに吹奏楽が強豪で広く活躍しており、中学に「硬式」テニス部があるのも大きな特徴です。

とはいえ、基本的には学業重視な校風のため、部活動はさほど重視されておらず帰宅部もたくさんいます(今はどうかわかりませんが)。私自身、最初の数年間囲碁将棋部に在籍してましたが、高校になって以降は帰宅部でした。

 

進学実績

 

最上位層の4-5人は大京(医学部除く)や国立大の医学部に進学、旧帝大早慶合格者も一定数いて(地理的な問題で、旧帝大では特に東北大が人気です)、上位1/3は筑波大や横国千葉大理科大、上位1/2がMARCHに受かる印象です。

(※東工大は『東大の理一や理二でいい』となりやすく、一橋は『早慶の文系学部の方が受験コスパがいい』などで敬遠されがちで、ほぼ合格者が出ません。それ以前に、この学校ではこの2校はほとんど知名度がないと言っていいです。)

(※進学実績の最高の学校は、関東という地理的な問題から当然東大になるケースが多いのですが、最近は山中伸弥先生、望月新一先生などのご活躍があったり、また自由奔放な校風が広く知られるようになったことから、京大も増えていると感じます)

(※東大と言えば、数年前になんと推薦入試で東大医学部に合格した卒業生が出てひどく驚いた記憶があります)

 

ボリュームゾーンは、私立でいえばMARCH~日東駒専、国公立でいえば地元の茨大をメインにした同偏差値帯の地方国公立大だと言え、学校の授業の照準もおよそこのレベル帯に充てていると思いました。

 

また、当然ながら一定数落ちこぼれもでてきて、残念ながらボーダーフリーのところにしか行けなかった、なんて人もいると思います。

高校受験がない「一貫生」は特に中弛みを起こしやすく、上位層と落ちこぼれでくっきりと分かれやすいです。ちょうどその中間に「高入生」がすっぽり入ってきます)

 

ほとんどが大学進学志望であり、専門学校や就職はほぼ皆無と言っていいです。一部アメリカをはじめとした海外の大学に進学する人もいます。

 

また、学内全体に「国公立の理系に行こう」という空気が蔓延していて(地方の高校あるあるかもしれませんが)、理系国公立志望の生徒が多数を占めています。私立専願の理系志望の人や文系志望の人は少し肩身が狭いかもしれません(サポートはちゃんと受けられるのでご安心を)。

 

私の代では、理系が4クラス・文系が2クラスで、理系は9割以上が国公立志望でした。文系の私立専願率は把握してないですが、文系であれば私立専願はそれなりに多い気がします。

 

※おそらく受験の特性からくる事情だと思います。

理系は、国公立と私立とで4年間(医学部や薬学部なら6年間、さらに大学院まで進めばほかの学部も実質6年以上)の学費の差がかなりあるので国公立の方を優先するインセンティブが働きやすく、かつ共通テストでの文系科目の負担があまり重くないこともあり、国公立を目指しておいた方が潰しが効きやすく私立との併願もしやすいというわけです。

一方の文系は、国公立と私立との学費差が理系ほど大きくない上に、そもそも数学が苦手な人たちが集まりやすい・共通テストでの理系科目の負担が重い、という事情から科目の少ない私立の方が優先されやすいのではと思います。就職を考えても、文系の場合は地方国公立よりも都心にあるMARCHの方が有利、というのもあるかと。

 

進路

 

進学実績は上のような感じですが、職業選択は多種多様だとおもいます。

 

私の代で知ってる人だけでも、

・研究者

・メーカーのエンジニア(私みたいな)

システムエンジニア

・医者

・薬剤師

・学校の先生(岡部監督のような部活指導者含む)

といった定番だけでなく、

・詩人

・マジシャン

・牧師

・CA(キャビンアテンダント

・テーマパークのスタッフ

イラストレータ

ラノベ作家

バレリーナ

 

などなど、本当に幅広い進路を歩んでいます。こういった多種多様な分野に人材を輩出してきたのも、茨城高校の特徴かもしれませんね。

 

 

 

ということで、長くなりましたが母校について熱く紹介させて頂きました。

 

今後ますますの発展を祈念したいと思います。