東大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、大阪大学の2013年の問題を取り上げます。
第1問
sinxの微分がcosxになることを証明する問題です。忘れた頃にやってくる、公式証明の問題です。
sinx/x→0の証明は、三角形と扇形の面積の大小関係からはさみうちの定理を使うのが一般的です。sinxの微分は、「微分係数の定義」に帰ることで計算を進めます。
ここで、一番最初の、扇形の面積を計算する場面で、角度の単位に「ラジアン」を使っていることに注目すべきです。
「ラジアン」を使ったからこそ、極限は1になるし、sinxの微分はcosxになるというキレイな関係になったわけです。もし、ここで度数法を使っていれば、sinxを微分したときに余計な係数がくっついてきて都合が悪いわけです。
これこそが、微分積分の世界で、角度の単位に度数法ではなくラジアンを使う理由というわけです。
<筆者の解答>
第2問
不等式を満たす領域を調べる問題です。
式をよく見てみると、この領域は、x軸についてもy軸についても対称なことが分かります。よって、xもyも正の範囲で詳細を調べれば十分なことが分かります。
この下で、絶対値の外れ方で場合分けを行いましょう。すると、第1象限での形が分かるので、あとは、対称に広げればお終いです。
<筆者の解答>
第3問
整数問題です。
nが小さい値で実験してみると、4つの数のどれかが3の倍数になることが予想されるので、これを証明しましょう。
<筆者の解答>
第4問
体積の問題です。
円錐Vの式はy^2 + z^2 =x^2 と書けるので、これを平面y=tで切った断面を考えましょう。
この断面と原点との最短距離と最長距離を出してあげれば、考える回転体の断面はドーナツ型となります。
<筆者の解答>
第5問
規則に従って玉を箱に入れていく状況を考える、確率の問題です。本セットどころか2013年全体を見渡してもトップ3に入るであろう超難問です。筆者自身、解くのに90分以上かかりました。
(1)は、最初のK1が、H1に入るか、それ以外の箱に入るかで大きく状況が変わります。
K1がH1に入る時、K2以降も順番に箱に収まっていくので、KnはHnに入ります。
K1がH1以外の箱、たとえばHmに入るとすると、K2からKm-1までは順番に入っていきますが、Kmを入れようとするとHmはすでに埋まっているのでここで択が発生します。
このときKmがK1に入るか、それ以外に入るかでまた場合分けが発生することになります。
(2)は、Kn-1がHn-1に入らないのは、K1,・・,Kn-2のどれかがHn-1に入ってしまう場合なので、そちらの確率を考えていきます。
KiがKn-2に入る確率をqiとしたとき、iが小さい数から順番にqiを代入していきますが、i=4くらいまで粘らないと規則性が見えてこないと思います。
本当であれば、qiの一般項をきっちり証明しないといけないのですが、それをする技術も気力もなくなっていたので、端折ってしまいました。。。すみません。
いずれにせよqiの一般項が求まれば、求める確率pn は、1 - Σqiで求まります。
<筆者の解答>