東大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、東北大学の2006年の問題を取り上げます。
第1問
円と領域の交わりを考察する問題です。
Dは円と直線で挟まれた領域となります。一方、x^2+y^2-2ax-2y+a^2=0は、変形すると、(x-a)^2 + (y-1)^2 =1 となるので、中心のy座標が1で一定の半径1の円となります。
つまり、x軸に接する半径1の円を左から転がしていったとき、どの範囲でDと重なるかを求めることになります。
<筆者の解答>
第2問
ベクトルの問題です。
(1)CH=sCB+tCDと書くことができるので、AHとCBの内積、AHとCDの内積が両方0になることからsとtを求めることができます。
(2)正三角形なので、CB, CA, CDの内積が求まります。これらを使って(1)の2乗を考えます。
(3) (1)でs=t=1/3となるαを求めます。
<筆者の解答>
第3問
福引を題材にした確率の問題です。やたらリアルな設定ですね。。。
(1)くじを引いて当たる確率を、p=1/500とします。このとき、くじがn回中k回当たる確率は、nCk p^k (1-p)^(n-k) と書けます。一般に、このように書ける確率を、「二項分布」と呼びます。
二項分布に従う確率について、kの期待値は一般にnpと計算できます。
この公式は覚えておいて損はありませんが、その場で出すことも十分可能です。
(2)4回中k回当たる出方がそれぞれ何通りあるかを考えます。それらを2乗して和をとれば、出方が2人で完全一致する確率となります。最後の数値計算は厳しいので、無理してしなくても部分点狙いで良いのではと思います。
結果として、当たりが極端に少ないので、想像以上に高い確率になりました。
(3)x枚の抽選券が配られるとしたときに、組合の収入は35x円です。一方で支出(の期待値)は、30万円+20x円となるので、黒字になるxの条件が求まります。
<筆者の解答>
第4問
関数の極限を考える問題です。
(1)f'(x)を素直に計算すればよいです。
(2)これもx=1/kを素直に代入しましょう。
(3) (1)の結果からx1=2はすぐに分かりますが、x2以降をどう考えるか?
ここで、f''(x)を計算すると、f''(x)=0 となるxは1/kのときだと分かります。
よって、(2)で求めた値が、f'(x)の極値になっていることが分かります。
各極値の絶対値は1より大きいので、グラフから1/n<xn<1/(n-1)が分かります。
(4) はさみうちの定理からxn→0が分かるので、xsinπ/xでx→0の時の極限を考えることになります。これ自体も0<xsinπ/x<xとできるので、はさみうちが適用できます。
<筆者の解答>
第5問
行列の計算問題です。誘導形式かと思いきや、実際は(1)~(3)はほぼ独立しています。
(1)実際に計算してみると、k≧3では、(A+B)^k = (A+B)^2で変わらないことが分かります。
(2)A,Bの累乗を実際に計算してみると、Aは何乗しても変化せず、Bは3乗以上で0になってしまうことが分かります。
(3)これも(A+B)X = X(A+B)=Oを愚直に計算しましょう。
<筆者の解答>
第6問
放物線と長方形の交わりを考える問題です。場合分けが面倒な問題です。
(1)実質、放物線と長方形が重なる条件を求めることになります。図に書いて、放物線の軸の位置によって場合分けします。
(2)面積を考えるためには、放物線と長方形がどう重なっているかまで考える必要がありますので、(1)からさらに場合分けが増えます。
(3)場合分けしたそれぞれに対して増減を考えます。
<筆者の解答>