ちょぴん先生の数学部屋

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平成の東北大理系数学 -1992年-

大京大に引き続き、他の旧帝大の問題も取り上げていきます。この記事では、東北大学の1992年の問題を取り上げます。

第1問

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行列の計算問題です。

 

(1)ABとBAを素直に計算して成分を比較しましょう。b=cとなるか否かで2通りの答えが出てきます。

 

(2) (1)の結果からAの形が2択に絞れるので、それぞれに対して、条件を満たすAを求めましょう。

 

<筆者の解答>

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第2問

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ベクトルを使った軌跡の問題です。

 

aとbのなす角をθとすれば、|a+b|とa・bの両方をθで表現できるので、最後にθを消去しましょう。

|a+b|とa・bの取りうる値の範囲に注意しましょう。

 

<筆者の解答>

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第3問

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動く点の軌跡についての問題です。

 

(1)x,yをtで微分すればvが求まります。

 

(2) dy/dxをtの式で表して積分します。積分は気づければあっさり解けます。

 

<筆者の解答>

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第4問

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すごろくの点の位置の確率分布を考える問題です。

 

(1)X=kとなるサイコロの出方を全てリストアップすればよいです。

 

(2)確率の対称性から、E(X)=0は簡単に求まります。分散V(X)は、一般に、

E(X^2)-{E(x) }^2で計算できます。

 

(3) 29や28になるのは相当なレアケースで、ほとんどの回で+5となっていないといけません。よって、一回の操作で+5とならない場合が何回ありうるかを考えましょう。

 

<筆者の解答>

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第5問

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対数の和の値に関する問題で、本セット最難問です。

 

まず、対数の底が全部違っているので、全部eで揃えてしまいましょう。すると、loga, logb, logcだけの式になるので、それぞれA,B,Cとすれば、考える式を簡単にできます。

 

以降は、A,B,Cを動かして取りうる値を調べることになります。

(1)(2)予選決勝法で、Cだけ先に動かすことで、与式を上下で挟むことができ、それぞれの関数が1より大きく2より小さいことを示すことができます。

 

(3) 十分条件が、「a,b,cのうち少なくとも2つが等しい」であることはすぐに分かります。あとは、これが必要条件でもあることを示します。

 

すなわち、A,B,Cが全部違っているとき3/2になりえないことを示します。

 

<筆者の解答>

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第6問

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3次方程式が実数解を3つ条件をもつ条件を求める問題です。

 

左辺の三次関数が、

極値をもつ

・極小値が-、極大値が+

となる条件を調べましょう。

 

<筆者の解答>

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