ちょぴん先生の数学部屋

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21世紀の慈恵医大数学 -2017年-

このシリーズでは、東京慈恵会医科大学の数学の問題を解いていきます。

 

6回目の今回は2017年です。

(問題文を提供して下さったせがわさん、ありがとうございます。)

第1問

小問集合です。

 

(1)確率の問題で、8点以下となるような(a,b,c)を全て列挙すればよいです。8点以下というのは結構強烈な制限で、組がかなり限られてきます。

 

(2)図形問題です。内接円の半径が△ABCの各辺と垂直に交わるという性質を使って、各頂点の半分の角度の三角比を利用して解いていきます。

 

<筆者の解答>

 

第2問

絶対値を含んだ積分の問題です。

 

(1)xの値によって絶対値の外れ方が変わるので、場合分けが発生します。

 

(2)積分を計算して極限を求めますが、問題文のヒントからa→0ならばaloga→0が言えます。

 

<筆者の解答>

 

第3問

整数問題です。素数が題材となっているので「倍数の関係」をうまく使っていきましょう。

 

(1)与式からcはaの倍数であり、さらにそこからpがaの倍数、つまりa=pが言えます。c=ma=mpとおくと、bもpとmの式で書けるので、(a,b,c)の組がp,mで書けることになります。2個目の不等式からmの範囲が絞りこめるので、個数が数えられるという算段です。

 

(2) aとcが互いに素でないのは明らかなので、aとbが互いに素であればOKであり、その必要十分条件はmがpで割り切れないことです。

 

<筆者の解答>

 

第4問

複素数平面に関する問題です。

 

Dが△ABCの重心で、△ABCが正三角形だという条件から、α~γはδ+l×(cosθ+isinθ)の形で書け、角度は120°ずつ回転していきます。

 

この条件をαβγ=-1に代入することで、δ、l、θの式が求まり、δが-1より大きい実数という条件からθが一通りに決まります。

(答案では計算を楽にするためにオイラーの公式を使っていること、ご了承ください。本質的にはド・モアブルの定理を使っているのと同じです)

 

<筆者の解答>