文系数学の最難関、一橋大学の2015年の問題を取り上げます。
第1問
互いに素な自然数を数える問題です。
(1) 1024=2^10なので、奇数はもれなく1024と互いに素です。偶数は当然1024と互いに素でないので、1024までにある奇数の数を数えれば必要十分です。
(2)2015 = 5×13×31 となりますが、互いに素な自然数を直接数えるのは厳しそうです。
ここは、5の倍数の個数、13の倍数の個数、31の倍数の個数から間接的に数えてみましょう。ベン図を使って、共通部分に注意して個数を計算しましょう。
(3) (2)と同様に、pでもqでも割り切れない自然数の個数を数えます。
<筆者の解答>
第2問
面積の取りうる値を調べる問題です。
(1) Cが原点中心半径1の円周上にあるので、C(cosθ, sinθ)と書くことができて、正三角形になる条件から、θを消去することができます。
(2) (1)の条件に加えて、(a-b)^2≧0となる条件が必要です。これらをグラフに描いてsの取りうる値を絞ります。
<筆者の解答>
第3問
正n角形の対角線2本が平行になる確率を求める問題です。本セット最難問でしょう。
nに具体的な数字を入れてみて、対角線を数えてみます。すると、nの偶奇によって状況が変わることに気付きます。
nが奇数の時は、対角線は必ずどれかの辺と平行になります。nが偶数の時は、対角線がどれかの辺と平行になるか、どれとも平行にならないかの2パターンがあります。
これをもとに数えていきましょう。
<筆者の解答>
第4問
円柱の下面円周を動く点Pと、上面円周を動く点Qとの距離の最大最小を考える問題です。
まずは、P(cosα、sinα, 0) ,Q(cosβ, sinβ, √3) と文字で置いて、PQをα, βの式で表現しましょう。
そこから予選決勝法で最大値最小値を求めていきます。αが1か所しか登場しないので、先にαを動かすとよいでしょう。
<筆者の解答>
第5問(a)
三角関数の和を計算する問題です。
(1) cos(kπ/6)が12周期で変化することに注意し、cos(π/6) + cos (2π/6) +・・+cos(12π/6)を計算してみましょう。
(2)cosの倍角の公式を使うと、(1)の知見を利用できます。
<筆者の解答>
第5問(b)
統計の問題です。
(1) Xの平均点とYの平均点が等しいという情報から、お互いの平均点がcになることが分かります。これを利用すると、分散の計算が楽になります。
(2)同様に、X,Yの共分散を計算しましょう。
(3)中央値が65点の時、得点がa,b,cの3つしかない上に、(1)からcが真ん中の数だと分かるのでc=65と求まります。あとは、標準偏差の情報も使ってa,bを確定しましょう。
<筆者の解答>