ちょぴん先生の数学部屋

数学の楽しさを、現役メーカーエンジニアが伝授するぞ!

平成の北大理系後期数学 -1990年-

このシリーズでは、平成の北大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。

 

最終回の今回は1990年になります。

 

第1問

f:id:stchopin:20220204154708p:plain

 

直線の通過領域を考える問題です。

 

(1) 三角関数の合成を使えばaの範囲が求まります。

 

(2) sin2θがaの式で書けることに気が付ければ、lθの式をaの式に完全に書き換えることができます。(1)の範囲でaを動かし、通過領域を求めましょう。

 

本解答は順像法で、別解では逆像法で解いています。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20220204160018p:plain

(2)別解

f:id:stchopin:20220204160058p:plain

 

第2問

f:id:stchopin:20220204154731p:plain

 

一次変換に関する問題です。

 

(1) l上の任意の点がm上にうつり、m上の任意の点がl上に移る条件と、三角形の面積の条件からa~dの条件を求めていきます。面積の条件は、行列式に帰着できます。

 

(2) (1)の結果からfの行列をa,bだけで表現できるので、Cの移動先(x,y)をa,bの式で表現できます。それと行列式の条件を合わせれば、軌跡が求まる格好です。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20220204160131p:plain

f:id:stchopin:20220204160200p:plain

 

第3問

f:id:stchopin:20220204154752p:plain

 

数列の極限の問題で、実質問題文の冒頭にある不等式で、ほとんど事足りてしまいます。

 

この不等式から、(1/3)^a*n^(1-a)≦Sn≦5^a*n^(1-a)となることが分かります。

 

(1)a>1なら、n^(1-a)が0に収束するので、はさみうちの定理からSnは0に収束します。

 

(2)0<a<1なら、逆にn^(1-a)が発散するのでSnは発散します。

a=1なら、Sn=2なので極限も当然2です。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20220204160236p:plain

 

第4問

f:id:stchopin:20220204154812p:plain

 

共通接線に関する問題です。

 

(1)C1, C2がx=aで接するので、x=aでyの値とy'の値が両方一致します。

 

(2)図に描けば、標準的な積分問題です。

 

<筆者の解答>

f:id:stchopin:20220204160330p:plain