このシリーズでは、平成の東北大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
17回目の今回は2002年になります。
第1問
放物線と軸上の点との距離に関する問題です。
Aを(y^2/4p, y)とおいて、距離をyの式で表現して最小化しますが、tの値によって場合分けが生じることに注意が必要です。
積分の方も、xによる場合分けに注意して計算していきます。
<筆者の解答>
第2問
複素数に関する問題です。
(1) 示す不等式を2乗して同値変形して、条件式を代入できる形に持ち込みましょう。
(2) (1)の式から、|α-1|=|α+i|となるので、αは1と-iの垂直2等分線上にあることがわかります。これをもとに、条件からαを確定できます。
1, α, αβ が頂点になる3角形が実は正三角形になるように、αの条件が巧妙に設定されています。
<筆者の解答>
第3問
行列の計算問題です。
与える式の右辺がA^(-1)となっていてややこしいので、A^3=Eを使って、A^(-1)=A^2と変換すると見通しが良くなります。
こうして計算を進め、成分を比較していき、最終結果がちゃんとA^3=Eを満たしているかを確認しましょう。
<筆者の解答>
第4問
確率の問題です。
(1) ちょうど4回目で終了するとき、1回目は白か黒を引き、その後3連続で赤を引けばいいわけです。なので、1回目に引く玉の色で場合分けして確率を調べます。
(2) 題意を満たすとき、2回目は白か黒を引いて、その後は赤を3連続で引けばよいわけです。(1)と同様に場合分けして調査です。
(3) 1回目に赤を引く、という条件の下では、「初手で3連続で赤を引き3回で終了する」「(2)の状況」「6回以上続く」の3パターンしかありえません。なので、「1回目に赤を引く確率」から、(2)の結果と「初手で3連続で赤を引き3回で終了する確率」を引いてあげれば、お目当ての確率が求まります。
<筆者の解答>
第5問
面積を評価する問題です。
x=pとx=qで囲まれる大きな台形から、x=pk-1, x=pkで囲まれる小さな台形たちを引いたものがSnになります。
(1)まずはn=1の場合で実験してね、という問題です。
(2)(3)私はいきなりSnを計算しに行きました。x=pk-1, x=pkで囲まれる小さな台形の面積をTk (k=1,2,・・・,2^n)としてΣTkを計算することに終始します。
(4)Sは積分計算で容易に求まり、約分によって実質4^n≧1000となる最小のnを求める問題に帰着します。
<筆者の解答>
第6問
極小値の個数を数える問題です。
x=tが極小値になる条件は、f'(t)=0かつf''(t)>0となることです。なので、そうなるtがいくつ存在するかを調べていくことになります。
f''(x)まで計算すると、aの値によって場合分けが発生することが分かります。
<筆者の解答>