ちょぴん先生の数学部屋

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ヨビノリさんからの挑戦状 ~数学夏祭り 第1問~

ヨビノリさんの企画、「数学夏祭り」に参加しております。

本日8/31に出題された、第1問はこちら、

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大学入試でよく見る整数問題ですね。が、分母の79という数字や、右辺の分子にrという未知数が入っているのが面倒くさいですね。。。早速やっていきましょう。

(筆者の解答時間は40分でした)

 

筆者の解答

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訂正:(p,q,r) = (80, 79×80, 1)が漏れているので追加します。

また、qは後ろから5番目なので、79×20です。よってq×r=25280が正解です。

問題は最後まできちんと読まなくてはダメでしたね。。

 

まず思うことは、「分数はイヤだ!!」ですね。

なので、分母を全部取っ払ってしまいます。

すると、pqrが79の倍数となることが分かります。

 

ここで、一見汚く感じる79という数字、この問題では好都合です。なぜなら、79は素数だからです!!

 

この事実を使うと、rが79未満なのでrが79と互いに素だと言えます。よって、

pqが79の倍数といえ、これは、pとqの少なくともどっちかは79の倍数となることを意味します!!

このことから、p,qが79で割り切れるときor割り切れないとき という場合分けが発生しそうです。

 

次に、まだ使っていない条件、p≦qを使いましょう。

整数問題の常套手段で、「文字をpかqかのどちらかに統一することで範囲を絞る」というテクニックがありますが、今回はpに合わせるとご利益があります。

実際、

1/p + 1/p ≧ 1/p +1/q =r/79 →pr ≦158 といった具合に、積を上から押さえつけることができます。

このことから、pは158以下と分かりました。

 

ここから、pが79で割り切れるか否かの場合分けに入ります。

 

[Ⅰ] pが79で割り切れるとき

pは158以下だと分かっているので、pは79か158以外に候補はありません!

それぞれを代入して検討すればよいでしょう。

 

(ⅰ) p=79のとき、

q= 79 ÷ (r-1)となり、qが整数となるためには、r-1が79の正の約数でないといけませんね。ここでも79が素数という性質が役立ち、r-1 = 1, 79しかありえません。

r<79を加味すると、r=2だけです。

 

(ⅱ) p=158のとき、

やることは(ⅰ)と一緒です。r<79だけでなく、p≦qも加味すれば絞ることができます。

 

 

[Ⅱ] pが79で割り切れないとき、

pとqの少なくともどっちかは79の倍数となるので、qが79の倍数となり、

q = 79m (mは自然数と書けます

 

このとき、p = 79m ÷ (mr-1) となります。

m=1のときは結局[Ⅰ]のケースに合流するので、m≧2のときを考えます。

 

m≧2のときは、ユークリッドの互除法を使うと、mとmr-1が互いに素だと言えます。

よって、pが整数となるためには、mr-1が79の正の約数でなければならないと分かります。

よって、mr=2、またはmr=80の2択に絞ることができ、mr=2のケースは[Ⅰ]のケースに合流します。よって、新規に考えるべきはmr=80の時です。

 

このとき、(p,q,r) = (m, 79m, 80/m)とmの式で全てかけるので、mに80の2以上の約数を代入したものすべてが解となります。

 

以上から、(p,q,r)の組が全て求まったことになり、あとは条件に見合うqとrを調べて掛け算するだけです。

 

この難易度は、東大クラスなら出てもおかしくない(合否の差をつけるぐらいの難易度)くらいの難易度かと思います。