ちょぴん先生の数学部屋

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21世紀の早稲田理工数学 2008年

私立最難関の一角、早稲田大学理工学部の問題を取り上げます。今回は2008年です。

余談ですが、私自身が、本番で解いた問題です。

 第1問

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陰関数の面積と回転体の体積を考える問題です。

 

(1) 曲線の式を、y=の形にして考えます。

 

(2)直線も曲線も、両方ともy=xについて対称になっていることに気付けると、全体を原点の周りに45°回転するという発想がでてきます。

 

<筆者の解答>

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 第2問

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整数問題です。

 

(1) A=m+n-1, B=m-n+1とおいて、A^2 + B =200となるようなA,Bを一つ見つけてくれば良いでしょう。

 

(2) b-d = (c-a) (c+a) と因数分解して、b-dの範囲に着目できると見通しが良いです。

 

(3) -A<B≦Aを言えれば、(2)を利用することができます。

 

<筆者の解答>

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 第3問

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関数方程式の問題です。

 

(1) x=0を代入すれば瞬殺です。

 

(2)問題文の関係式で2xをxに取り換えてみると示せます。

 

(3)分子分母に無理やりh-0を入れてあげれば、微分の定義そのものになります。

 

(4) (2)の結果から、f(x)/(e^x -1)の値は、xを半分にしても変わらないのでした。xを半分にし続けていくといずれ0に収束するので、(3)の結果が使えます。

 

<筆者の解答>

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 第4問

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確率の問題です。

(1)n=3の時は、3個の玉が1つの箱に全部入り、n=4の時は、4個の玉が2つの箱に入ります。後者の場合は、1個3個の配分になるか2個2個の配分になるかで状況が変わりますので、丹念に調べましょう。玉と箱に番号をつけておくと過不足なく数えることができます。

 

(2)空箱の選び方、3個の玉の入る箱の選び方をそれぞれ調べれば上手くいきます。

 

(3) (2)に加えて、「2箱が空、2箱に2個づつ、残りが1個ずつ」となる場合を考えないといけないので、この確率を考えます。

 

(4) (2)(3)ができていれば、おまけのような問題です。

 

<筆者の解答>

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 第5問

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空間図形の問題です。

 

(1)直観的に明らかですが、ちゃんと示すには、P,QがS上にあり、なおかつNを中心とした半径lの球面上にもある、という条件から求めます。(NP=NQ=lとしてます)

 

(2)余弦定理から求められます。

 

(3)要は線分PQの通過領域を考える問題です。PQは、ある円の長さの等しい減になるので、通過領域はドーナツ型になります。

 

(4)「hの取りうる値に注意して」という但し書きが非常に大事です。一見して-1≦h≦1は明らかなのですが、うっかりそのままやってしまうと間違いです。

 

(3)で考えたドーナツの内径が0以上でないとそもそも図形が成立しないので、そこからhの本当の下限が出てきます。

 

そのうえで(3)の結果を積分します。

 

<筆者の解答>

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