このシリーズでは、平成の東北大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
19回目の今回は2000年になります。
第1問
回転体の体積の関する問題です。
(1) x=aでの接線を求めて、それが原点を通るようにaを調整します。
(2) V1, V2をそれぞれ計算してV1=V2を解くという流れです。
V2については、円柱から回転体をくり抜くという発想での計算になります。
<筆者の解答>
第2問
ベクトルに関する証明問題と、線分の和の最小化の問題です。
(1) 単位ベクトルの和になっているので、一個だけ移行して2乗すると内積が求まり、なす角が求まります。
(2) 両辺を2乗して差を比較してあげましょう。等号成立はx=0か「xとaが平行」となります。
(3) A, B, C, Xの位置ベクトルをa,b,c,xとすると、(2)の不等式から考える和が下から評価できます。問題は位置ベクトルの始点をどう持ってくるかです。(2)を使うと(1)の和の形が出現するのですが、xが絡んでしまってて考えにくいです。それを無視するには、(1)の和=0になっていればよいわけで、こうして(1)の結果を利用することができるわけです。
<筆者の解答>
第3問
数列の漸化式に関する問題です。
(1)与式は左辺等辺の両方にan+1が入ってしまってる形なので、bnの式をan=の形に直して代入して式変形するとよいでしょう。
(2) (1)の結果は単純な等比数列型の漸化式なので、解くのは容易です。
(3) (2)ができていれば瞬殺でしょう。
<筆者の解答>
第4問
複数のa,bの文字列の並べ方を考える問題です。
(1) h個の玉を横一列に並べて、そのh-1個の隙間にk-1個の仕切りを入れてしまえば、玉の仕分け方が求まります。この設問は(3)を解くヒントになっています。
(2)7個のaの隙間のうちp-1個にbが入り、残りは文字列の両端のいずれかに配置することになります。pの値で場合分けして、具体的に調べたほうが早いでしょう。
(3)連の和が4,7,11になる組み合わせは(2)から分かるので、そうなるような並べ方を調べます。その際にaの連、bの連が入るスペースを箱と解釈すれば、(1)の結果を使うことができます。
<筆者の解答>
第5問
軌跡の導出と、2つの楕円の共通部分の面積を計算する問題です。
(1) PQ=(rcosθ, rsinθ)とベクトルを置いて処理するとよいでしょう。
(2)C1, C2は2つの楕円になるので、その共通部分の面積を積分で計算します。三角関数で置換するとうまくいきます。
<筆者の解答>
第6問
3次関数に関する面積の問題です。
(1) g(x)の式は、f(x)とy軸対称なのでg(x)=f(-x)で求まります。これを利用して定石通り解いていきます。
(2) 解と係数の関係を使って、符号に注意しつつ計算していきます。
(3) S2の方はより簡単に計算できるので、あとはS1=11S2を処理するだけです。
<筆者の解答>