このシリーズでは、平成の東北大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
20回目の今回は1999年になります。
第1問
数列に関する問題です。
(1) bnに関する漸化式をanに関する漸化式に変換して、元の漸化式と一致するようにc,pを調整します。(答案ではanの一般項を求めていますが、結果論必要ありませんでした)
(2) bnの漸化式から容易に求まります。
(3) 数学的帰納法で証明すればよいでしょう。
(4) bn+1 -bn =panを両辺和をとってあげればSn=(bn+1 -b1)/pが求まり、さらに(3)の結果から、はさみうちでbn→0 (n→∞)が求まります。
<筆者の解答>
第2問
正四面体に関するベクトルの問題です。
(1)OがAG上にあり、かつBH上にある条件をベクトルの式で表して処理していけばよいでしょう。
(2) (1)の結果を代入すれば、和が0だと分かります。
(3) 与式を、Oを始点にしたベクトル計算で変形すると、(2)の結果から実質OPの取りうる値を調べる問題に帰着します。
<筆者の解答>
第3問
場合の数の問題です。
(1) 空き箱の存在を許したときの入れ方から、「空き箱が2個になる入れ方」「空き箱が1個になる入れ方」を引けばよいです。
(2) 「少なくとも」の文言があるので、余事象「ペアが全てばらけて入る入れ方」を調べるとよいでしょう。
この時、l組のペアが2箱にまとまって入るか、3箱にばらけて入るかで、残りのn-2l枚のカードの入れ方が変化します(空き箱がない、という条件があるので)。
<筆者の解答>
第4問
点の軌跡に関する問題です。
(1)状況を図に起こして考えます。Rは(2tsint, -2tcost)とかけて、Pについては「LとRPが垂直」から、Qについては「PRを時計回りに2tだけ回転したものがPQ」から座標を求めることができます。
(2) 座標をtで微分することでK1, K2の概形をざっくり調べて、置換積分を使って面積計算をします。積分は一見難しそうですが、計算を進めると意外にシンプルになります。
<筆者の解答>
第5問
行列の計算問題です。
(1) ケーリーハミルトンの定理をうまく使ってあげると、A^3がa~dの式で比較的楽に計算できます。あとは、成分が問題文の通りになる条件を考えましょう。
(2) (1)の結果を使ってa~dを確定させます。最終的にはa,bの連立方程式を解くのですが、aとbの次数が対称的なので、a=tbとおいてtを先に求めるといいでしょう。
<筆者の解答>
第6問
底面が軸に対して斜めな円錐に関する問題です。
(1) PからOAに下した垂線の足をQとして、Qの座標を考えていきます。Qの座標がb,cだけで書けるので、あとは直角三角形の相似から距離が計算できます。
(2) PとQとの距離が(1)で求めた距離以下であれば、Pは円錐の表面か内部にあることになります。(答案では、特に式変形せずに止めています。式変形しても旨味がなさそうに見えましたので)
<筆者の解答>