ちょぴん先生の数学部屋

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ヨビノリさんからの挑戦状 ~数学夏祭り 第8問~

ヨビノリさんの企画、「数学夏祭り」に参加しております。

本日9/9に出題された、第8問はこちら、

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誤差を一定以下にするのに必要な測定回数を求める、本格的な統計学の問題ですね。

とりあえず、解いてみますね。

(筆者の解答時間:1時間)

 

筆者の解答

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大学の教養課程で習うレベルの、本格的な統計学の問題です。

解くのに使用した正規分布表は、以下のサイトを参照しました。

http://www3.u-toyama.ac.jp/kkarato/2019/statistics/table/z.pdf

 

最初に、お詫びしないといけません。

 

申し訳ありません。今回は、筆者自身の理解度が不足しているうえに、「確率変数」「不偏分散」「推定」「t分布」「正規分布」など説明しなければならない(かつ高校生はまず知らないであろう)統計学の専門用語があまりに多いので、解説することができません。。

 

今回の問題については、ヨビノリさんの統計学の解説の動画をご覧になっていただいた方が、はるかに手っ取り早いです。

https://www.youtube.com/watch?v=6YfeVshwfrY&list=PLDJfzGjtVLHmx7qMP410-9gx0weC9d90X&index=4

【大学数学】推定・検定入門④(区間推定:分散が未知な場合)/全9講【確率統計】

 

今回の問題を解く上で必要な知識は④の動画ですが、①から通してご覧になることをオススメします(ヨビノリさんの宣伝になってしまいますが。。)

 

この手の統計の問題をやったのが、実に大学1年の「統計学」の期末試験以来12年ぶりのことだったので、統計の知識をほとんど忘れてしまっており、週末に上記のヨビノリさんの動画を見て復習しました。

 

というより、大学の講義とは比べ物にならないレベルで分かりやすく解説されていて、12年前の当時より理解が深まった気すらします笑 (学生時代では、きちんと単位はもらえましたが。。)

 

コメントなしなのも難なので、問題を解く流れをざっと説明します。

 

1. 10個のデータの平均と分散(不偏分散)を計算する 

 →ここから、王冠の重量の真値と分散を予想する(=「推定」という)工程に入る。

 

2.  1で求めた平均と分散から作れるとある値が、ある確率分布(スチューデントのt分布)に従う、という性質を使う

 

3.  2から、95%の確率で王冠の重量の真値が満たしている不等式を計算する。そこから誤差の式が分かる。

 

4. 3で求めた誤差が1未満という条件から、測定回数の条件を求める。

 

上記を、ヨビノリさんの動画を見つつ、見よう見まねでやってみた次第です。。

 

 

トリビアの泉というバラエティ番組があり、そこでアンケート調査をする際に統計学の専門家が毎回のように、

「だいたい無作為に2000人を調べれば、十分信頼できるデータが得られると思います」

としゃべっていたのが印象的でしたが、この「2000人」という数字の根拠が、今回のような計算で求まるのですね。

 

それに限らず、「信頼できるデータを得るには実験を何回すればよいか?」「世論調査は何人以上調べるべきか?」「完成品の何個を調べれば不良品率が分かるか?」といった実務で大事になっていくのが、今回のような統計学の知識なわけですね。

 

もともとはギャンブルの研究のために生まれた「確率」でしたが、その最も有用な応用例こそが、この「統計学」と言えます。

 

統計学の知識を少しでも頭の片隅に置いておけば、テレビで言っていることに騙されにくくなると思います。