ちょぴん先生の数学部屋

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21世紀の慶応理工数学 2010年

私立最難関の一角、慶應義塾大学理工学部の問題を取り上げます。今回は2010年の問題です。

第1問

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小問集合です。

 

(1) ベクトルのなす角を求める問題です。与えられた条件から、p・qの値とqの大きさを調べればよいでしょう。

 

(2) f(x)はsinxの3次関数なので、t=sinxと変換してtの関数として増減を調べるとよいでしょう。

 

(3) 漸化式の問題です。an+1について解いてあげると、逆数をとるとうまくいくタイプの漸化式になります。

 

<筆者の解答>

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第2問

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確率の問題です。

最初に、袋の中身がどのように変化するかを図にまとめておくとよいでしょう。

この図を使って(1)-(3)をすべて求めることができます。

(サ)を求めるときはいくつか経路があるので、もれなく数えましょう。

 

<筆者の解答>

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第3問

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図形と点との最短距離を調べる問題です。

 

(1)直線と点との距離の公式を使えって考えればよいでしょう。

 

(2)Qを(√2cosθ, √2sinθ)とパラメータ表示して距離を最小にするθを考えていきます。

 

(3)Qを(t,0) (t≧0)として、距離を最小にするtを考えますが、xの正負によって場合分けが発生します。

 

<筆者の解答>

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第4問

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3次方程式の解に関する問題です。

 

f(x)=0が3つの実数解を持つときは、最低限極大値と極小値を持っていないといけないので、f'(x) =0 の解は2つないといけません。

x=0は解にならないので、g(x)=0の解がx=tなら、f(x)=0の解は1/tになる、という事情がありg(x)を考えているのだと思います。

 

これらの微分の判別式を考えるとkの不等式が出来上がり、左辺は2(n+1)より少し小さく、右辺は2(n+1)より少し大きいので、この不等式を満たすkが整数なら、2n+1や2n+3との大小関係を調べてみましょう。

 

あとは、代入してf(x)=0を因数分解を使って解くだけです。

 

<筆者の解答>

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第5問

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指数関数と直線についての問題です。

 

(1) f(x)=e^2x -axの増減を調べればよいでしょう。

 

(2)円錐から、Cの回転体を引き算する格好になりますが、後者は、y=e^2xの逆関数が、x=1/2logyになることに注意して計算します。

 

(3) PでのCの接線がlと平行になる時、Pとlとの距離が最小になります。

 

<筆者の解答>

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