ちょぴん先生の数学部屋

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平成の東大理系後期数学 -1998年- ※第3問以外

このシリーズでは、東京大学の後期の数学の問題を解いていきます。

 

10回目の今回は1998年です。

※第3問は諸事情あり、後日個別に記事を上げます。

 

第1問

 

点の存在領域に関する問題です。

 

(1) Q(cosα, 10+sinα), R(2cosβ, 2sinβ) , S(X,Y)とおいて、△QRSがR=90°となるような直角三角形になる条件を考えていきます。このとき、SはQRの左側にあるか右側にあるかの2種類の置き方があるので、場合分けして考えます。(X,Y)の導出には回転行列を使うと見通しよく計算できます。

 

こうしてX,Yがα, βの式でかけたら、αを消去することでSの軌跡が半径1の円になることが分かり、中心がβの式で書けます。あとは、この中心の軌跡を考えてあげればOKです。

 

(2) SがC3上にある時、Sは(1)の領域とC3の共通部分を動くことができます。もし共通部分が曲線だったりするとSが無数に存在してしまいます。なので、△QRSが一意に決まるには、C3と(1)で求めたSの領域との共有点が「1点だけ」であればOKです。

 

Sの領域はドーナツ型でしたので、「C3が内径に内接する」か「C3が外径に外接する」であれば目標達成です。

 

<筆者の解答>

 

第2問

 

三角関数のグラフの通過領域を調べる問題です。

 

(1) (E)の左辺を展開して積分をやり切ればよいです。三角関数積分は、積の形だとやりにくいので、できるだけ和の形に分解することを心掛けましょう。

 

(2) (1)の結果を代入して変形すると、f(x)=sinx+sin(x+2θ)と、θと無関係の項と、θに依存する項に分けることができます。

 

グラフの通過領域を調べる方法は大きく2通りあり、

1. 順像法:xを固定して、θを動かしたときのf(x)の取りうる値を調べる

2. 逆像法:y=f(x)をθの方程式と見なしたときに、0≦θ≦π/4の範囲に実数解を持つようなx,yの条件を求める

 

の2つです。今回はθが三角関数の中に入っていてθ=の形に綺麗に書き下すことができず、それどころかxとの分離ができない形になっています。なので2の逆像法ではうまく解けないため、1の順像法を採用します。

 

つまり、xの値で場合分けして、sin(x+2θ)の0≦θ≦π/4での最大値と最小値を求めていきます。単位円を使うと最大になる箇所と最小になる箇所が可視化できます。

 

こうしてf(x)の値域がxの式で求まるので、それを図示したものがDになります。

 

(3) (2)ができていれば、簡単な積分計算で面積は求まります。

 

<筆者の解答>

 

第3問

 

ついに、来てしまいました!

この問題は「入試史上最も難しい数学の問題」として伝説になった超有名な問題です。

 

この記事の中ではとても解説しきれないので、後日個別に記事を上げます。

 

[追記] 記事ができました!

stchopin.hatenablog.com