皆さん、こんにちは。
ここ数回にわたって虚数ネタの記事を上げていますが、
今回は、その中でもキャッチーな値について考えていくことにします。
1. iのi乗
「虚数の虚数乗ってなんだよ!?」となると思うのですが、オイラーの公式を使うことにより、計算することができます。
まず、iをオイラーの公式を使って指数関数の形に直してみると下のようになります。
iは実部(=cos)が0, 虚部(=sin)が1なので、そうなる角度は普通に考えれば90°=π/2 となります。
が、実際にはそこから360°何周しても同じ角度を表すので、一般角の形で書くべきです。なので、2πn (n:整数)をπ/2に足しています。
いずれにせよ、これでiが指数関数の形に直りました。
あとは、指数法則から、指数の肩を掛け算すればいいので、iのi乗は下のようになります。
このように「iのi乗」はなんと実数になってしまうのです。加えると、任意の整数nが答えの中に残ってしまっています。つまり、「iのi乗」はnの値によって無限通りの値を取りうるということになります。不思議ですね・・・
2. log(-1)
通常、対数logxを考えるときは真数条件x>0が必要なのでした。ここで、もし真数条件を破ってマイナスの数をlogに突っ込んだとしたら・・・・これもオイラーの公式を使うと計算することができます。
先ほどと同様に、-1を指数関数の形に直すと下のようになります。
こちらについても、角度は一般角の形にします。
あとは、logをとれば指数の肩が降りてくるので、log(-1)の値は
となります。これについても任意の整数nが残っているので、無限個の値を取りえます。
3. sinx=2の解
xが実数である限り、sinxは-1以上1以下になるので、絶対に2にはなりません。なので、sinxが2になるとしたら、xが虚数でないといけないことになります。逆に言うとうまい虚数xをもってくれば、sinx=2にできちゃうのです。
このxを計算してみましょう。
まずオイラーの公式を使うと、sinxは指数関数を使って以下のように書くことができます。
z=e^ixとおいてsinx=2を変形してあげると、zの2次方程式になって以下のように計算できます。
ここでも、最後に一般角を導入しています。
これにlogを取ればよいので、
とxが求まりました。
※上の式に一部誤りがあります。
iは正しくはe^i(π/2 +2nπ)と直るので、最終結果の実部は正しくは(2n+1/2)πです。
4. cosx=2の解
cosの場合も、sinの場合と同じように解くことができます。