このシリーズでは、平成の一橋数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
一橋の後期は文系向けにも関わらず数Ⅲが出題範囲に含まれています。なので、どうしても数Ⅲの知識が不可避な問題については「※数Ⅲ必須」とコメントを付けておきます。数Ⅲやってないよ、という文系志望の方は、このコメントのない問題を中心に見ておけばよいと思います。
15回目の今回は2003年になります。
第1問
整数問題です。
(1)xを固定してあげるとyの個数が決まるので、それらを足し上げればanが求まります。
(2) 要するに、n^2 ≦ x^2 +y < (n+1)^2をみたす(x,y)の組数がbnなので、(1)の結果を使えば、an+1からanを引けばbnが求まることになります。
<筆者の解答>
第2問
複素数平面の問題です。
(1), (2)ともにz=x+iyとおいて、xとyの関係式を求める方針で解きます。
(1) w=t(実数)とおいて実部と虚部の比較をすると2本の方程式ができます。そこからtを消去すればzの軌跡が求まります。z=1を除外することを忘れずに。
(2) |w|≦aにwの式をそのまま代入して変形すればよいでしょう。aが1より大きいか否かで場合分けが発生します。
<筆者の解答>
第3問
三角形の面積を考える問題です。
AとBの座標は簡単に求まるので、面積をaの式で表してしまいましょう。
そこから最大値を求める方法は、
1. 微分する(数Ⅲ範囲)、
2. 相加相乗平均の形に持ち込む、
3. aの方程式と見なしてそれがa>1の実数解を持つ条件を求める
の少なくとも3通りあると思います。
<筆者の解答>
第4問
領域内を自由に移動できる円の半径の最大値を考える問題です。
問題文の領域を描いてみると、左側と右側に無限に広がった領域ができ、真ん中に「海峡」のような場所が出来上がると分かります。この「海峡」を通過できることが半径の条件になります。
この海峡の幅を求めるのがメインの作業になりますが、
1. 2本の放物線それぞれに平行な接線を引く
2. 2本の平行な接線の間隔の最大値を調べる
というのが大きな流れです。
1についてはそれぞれの接線の式を書いて、傾きが等しくなる条件を決めてあげればよいでしょう。
2についてはy切片の差を利用して三平方の定理で間隔が求まり、それの最大値を調べることになります。そのときに、接線の配置から接点の範囲が絞られることに注意します。
ここで出てくる関数は、原理的には微分を使わずに最大値を調べることが出来そうな気がしますが、あまりに煩雑な処理になりそうだったので、数Ⅲ知識の微分で押し切らせて頂きました。
<筆者の解答>
第5問
リーグ戦の勝ち数を考える問題です。
申し訳ありません。この問題については、筆者は解くことができませんでした。(1)については方針建てまでは出来たものの、(2)(3)に至っては方針すら全く思いつかず白旗です・・・なので(1)の方針のさわりだけ説明します。
リーグ戦の試合総数はnC2= n(n-1)/2で、引き分けがないためこれがイコール勝ち数の総数になります。
1位のチームの勝ち数がkだとすると、他のチームの勝ち数も必ずk以下なので、k≧(n-1)/2が求まります。
nが奇数ならkの最小値は(n-1)/2、nが偶数ならkの最小値はn/2となりますが、この場合が実際にリーグ戦として実現可能な勝ち数なのかの検証が、どうしても出来ず挫折。という格好です。
<筆者の解答>