このシリーズでは、京都府立医科大学の数学の問題を解いていきます。
14回目の今回は2009年です。
第1問
整数問題です。
(1)式が簡単になるように、bを中心としてa,c,dをbの式に直すとよいでしょう。
(2)公比をrとし、R=r^3とすると、与える式はR^3 - R^2 -R-1=0となります。a~dが全部整数なのでRは少なくとも有理数でないといけないのですが、この3次方程式は有理数の解を持ちません。このことを説明すればよいでしょう。
<筆者の解答>
第2問
双曲線の接線が作る三角形に関する問題です。
(1)P(p,1/p)として、C2のx=tでの接線がPを通る条件を考えると、Q,Rのx座標が求まります(解と係数の関係を考えると見通しが良いです)。あとはGの座標を計算して、それがpに依存しないaの条件を考えます。
(2) (1)の結果からGは原点となります。それを利用して内積がpの式で計算できます。
(3) GQとGRの長さが分かれば(2)の情報と合わせてcosθがpの式で表現できます。全体がp^2+1/p^2だけの式になるので、X=p^2+1/p^2として増減を調べるとよいです。
<筆者の解答>
第3問
関数の接線に関する問題です。
(1)x=tでのCの接線が(1,a)を通る条件を考えると、このtがちょうど2個あるとき2本の接線が引けることになります。ちょうど条件がa=(tの式)と書けているので、右辺のグラフの形状を考えればよさそうです。
(2)lの式を求めて、図を描いて積分計算です。
<筆者の解答>
第4問
互いに接する円錐の配置に関する問題で、図形センスが問われる一問です。
(1)OからLkに引いた2本の接線のなす角が2π/nであれば隣同士が接することができます。
(2)以降はAkとBを、z軸とPkを含む平面で切った断面を考えることになります。
(2)座標計算でZQk=2を導出するのは難しいので、図形的に解いていきます。今回の場合はAkとBの断面が相似な二等辺三角形になっていることを利用し、円周角の定理が使えないかと考えるわけです。
(3) (2)の結果から|z|がsの式で求まり、相似の関係からhが|z|とsの式で求まるので、|z|を消去すればよいでしょう。
(4)Vの計算はsの式で容易に求まるので、n→∞のときs→0となることに注意して極限計算していきます。
<筆者の解答>