ちょぴん先生の数学部屋

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平成の東北大理系後期数学 -2008年-

このシリーズでは、平成の東北大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。

 

11回目の今回は2008年になります。

 

※余談ですが、この年は筆者が現役の受験生だった年で、実は後期は東北大に願書を出していました。つまり、もし前期で東大に落ちていれば本番として受けていたはずのセットになります。幸いにして前期の時点で東大に受かることができたので、この問題を解くことなく受験を終えることができましたが。

 

第1問

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ベクトルの問題です。

 

(1) MはABの中点なので瞬殺です。Cについては角の2等分線の性質でAC:CB=2:1となることから、DについてはOD・AB=0から求めることができます。

 

(2) A→M→C→Bの順番は確定しているので、DがCとBの間にある条件を考えればOKです。bの係数に着目すればよいでしょう。

 

<筆者の解答>

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第2問

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放物線と平行四辺形の交わりに関する問題です。

 

(1) y=2xとCとが接し、かつ接点のx座標が0以上2以下になる条件を求めます。

 

(2) aの値によってQとRのどっちがCの上側に含まれるかが変わるので、場合分けして面積を計算します。面積計算は積分でよいです。結果、S(a)は偶関数になるので、a>0だけに絞って増減を調べればよいでしょう。

 

<筆者の解答>

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第3問

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log10(7)の近似値を求める問題です。

 

(1) こちらは右辺ー左辺を微分して増減を調べる典型問題です。

 

(2) 与式はlog10(1+1/2400)となるので、(1)が使えそうです。が、底を変換する必要があり、底を10からeにしたときに値がどう変化するのかを調べる必要があります。

 

(3) 2401=7^4, 2400=2^3×3×10^2なので、(2)の不等式を使ってlog10(7)を評価していきます。(2)の左辺は言うまでもなく0より大きいです。

 

<筆者の解答>

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第4問

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分数型の漸化式を解く問題です。

 

(1) このタイプの漸化式は(1)のようなプロセスで解きます。bn+1をanの式で表現して、無理やりbnに近い形に持っていきましょう。

 

(2) (1)からbnの一般項が求まり、anの一般項が求まります。

 

<筆者の解答>

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第5問

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放物線に関する格子点の個数の問題です。

 

(1) 直線x=k (k:整数)上にある格子点の個数を全て足し上げればanになります。

 

(2) mが√n-1<m≦√nと評価できるので、anの式をnだけの不等式で評価しはさみうちに持ち込みます。

 

<筆者の解答>

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第6問

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3次方程式の整数解に関する問題です。

 

(1) αはpの正の約数(1,p)に限られますので、α=pがダメなことを証明します。

 

(2) (1)の結果からpがnの式で表現できるので、虚数解をnの式で表現できます。虚部が√2になるnを求めて、その時にpが素数になるかを確認しましょう。

 

<筆者の解答>

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