このシリーズでは、山梨大学医学部後期の数学の問題を解いていきます。
2回目の今回は2021年です。
第1問(1)
データに関する問題です。
まず、平均値の情報からa+b=13がわかり、中央値である4.5より小さい数が少なくとも2つ、4.5より大きい数が少なくとも2つと同数あるので、a<4.5, b<4.5だとわかります。あとはaと3の大小関係、bと5の大小関係で場合分けして調べていきます。
(※偶数個のデータの中央値は、例えばこの問題では3番目のデータと4番目のデータの平均値になります)
<筆者の解答>
第1問(2)
いわゆる「相反方程式」に関する問題です。
x^2+(1/x)^2とx^3+(1/x)^3をそれぞれyの式で表現して考えていくとよいです。yの式の形から相加相乗平均で|y|≧2がわかるので、それを満たすようにxを調べていきます。
<筆者の解答>
第1問(3)
軌跡の問題です。
比の関係式をx,yの式に変形するとa≠1なら円の式になります(a=1だと直線になりますが、今回の問題では不適なので除外します)。あとは中心座標と半径の情報からx1とaを調べていけばOKです。
<筆者の解答>
第1問(4)
角の2等分線に関する問題です。
lとACの交点をDとすると、角の2等分線の性質からAD:DC=AB:BCだと分かるので、ここからDの座標が求まります。そうなればlはBとDを通る直線なので式を作れることになります。
<筆者の解答>
第1問(5)
空間座標に関する問題です。
平面ABCの式からnは容易に求まり、原点との距離も簡単に計算できます。
シについては、OD=EDを処理していけばよいです。
<筆者の解答>
第2問(1)
積分計算の問題です。
いずれもt=sinxと置換すればよいですね。
<筆者の解答>
第2問(2)
複素数に関する問題です。
2つの条件式を整理していくと、|α|^2+|β|^2=4となり、円の式になります。これに対してk=2|α|+|β|は直線と見なせるので、この円と直線が交点を持つkの最大値を考えていけばよいことになります。
<筆者の解答>
第2問(3)
1次不定方程式に関する問題です。
今回は係数が2021, 312とかなり大きいので、ユークリッドの互除法を使って整数解の1つを調べていきます。
そうすると、整数解の一般式がパラメータk(整数)を使って求まり、|x|も|y|も同じkで同時に最小化できることは明らかです。
<筆者の解答>
第3問
確率の問題です。
2枚のカードの在りかは、実質
A: 隣り合わない2人が1枚ずつ
B: 隣り合う2人が1枚ずつ
C: 1人が2枚持つ
の3パターンしかありません。
なので、一度もCになることなくn回後にA,Bになっている確率an,bnの漸化式を考えるとよいです。このときにpn=an+bnとなります。
ただ、この漸化式は実は綺麗に解くことができないので(特と無理数の等比数列が登場して計算が面倒になります)、一般項を求めずに漸化式を使って直接具体的にa1,b1~を調べていくのが結局良いと思います。
<筆者の解答>
第4問
m乗のシグマ公式がm+1次式になることを証明する問題です。
数学的帰納法を使えばよいのですが、経験がものを言います。
そもそもシグマ公式を導出するときは、Σ(k+1)^m -k^mを2通りで表現するんでした。なので、今回もこの式を活用するとよいです。
<筆者の解答>
第5問
導関数に関する問題です。
f(x)を何回か微分すると、f(x)のn回微分の形が見えてきます。そこから漸化式を作ってxnを計算する格好です。
(※漸化式からf(x)のn回微分の一般式を導出しましたが、結果論そこまでは不要でした)
似たような問題が、確か東大の2005年の第1問で出題されていたはずです。
<筆者の解答>