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平成の東北大文系後期数学 -1998年-

このシリーズでは、平成の東北大文系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。

 

基本的に文系ユニーク問題のみ解きますので、理系との共通問題については、理系の記事をご参照ください。

理系の記事はこちら↓

平成の東北大理系後期数学 -1998年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

21回目の今回は1998年になります。

 

第1問

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ベクトルの計算問題です。

 

(1)OC=l, AC⊥BCの情報から求まります。

 

(2) (1)の結果からaが求まるので、x,y,zの3つの方程式が作れるのでそれを解いていきます。

 

<筆者の解答>

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第2問

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三角関数の計算問題で、方針が立てにくい難問です。

 

(1) まず、A,B,Cは三角形の内角なのでA+B+C=180°が成り立っています。これを利用すると、sinA=sin(B+C), sinB=sin(A+C), sinC=sin(A+B)の3つの式が成り立つことが分かります。

さらに、rの式からsinB, sinCがsinAで表現できるので、上の3つの式を計算したときにsinの成分を悉く約分できることに気が付きます。

 

こうして出来上がたcosA, cosB, cosCの関係式を色々弄ると、与式が計算できます。

この方針が決まるまでに非常に試行錯誤し、大変でしたね・・・

 

(2) (1)ができていれば、容易です。

 

<筆者の解答>

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第3問

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2つの曲線の交点の個数を調べる問題です。

 

両者を連立すると、|x(x^2 -1)| -x^2 = kとなるので、f(x)= |x(x^2 -1)| -x^2のグラフを描けば視覚的に実数解の個数(=交点の個数)が求まります。

 

絶対値の中身をうまく場合分けしてグラフの概形を調べましょう。

 

<筆者の解答>

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第4問(a)

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場合の数に関する問題です。

 

(1)赤をa枚、黄をb枚、緑をc枚取るとして、a+b+c=6となるような(a,b,c)の組み合わせを数えることになるのですが、これは「ボール6個と仕切り2個を横一列に並べる方法」と等しいです。

 

(2)赤一枚を貼る面を上面に固定して、赤のもう一枚を底面に貼るか側面に貼るかで場合分けをします。

 

<筆者の解答>

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第4問(b)

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不等式評価の証明問題です。

 

(1)この小問が一番難しいと思います。まず問題文に「数学的帰納法を使って」とありますが、n,k,jなど文字が色々登場していてどう帰納法を使えばいいのかが分かりにくいです。

 

ですが、jやkは、あくまで1~nまでの数を代表してるだけの引数に過ぎないので、実質的なパラメータはnだけです。なので、nについての帰納法を考えてあげればよいでしょう。

 

あとは、証明すべき不等式を明確にして、余計な文字が消えるように既存の不等式を活用して証明していきましょう。

 

(2)以降は、最悪(1)ができてなくても解くことができます。

 

(2)については、(A)の式に直接代入してチェックしていきます。最終的にはbj^2とbj+1×bj-1の大小関係を調べることに帰着します。

 

(3) (B)が成立しているので、(B)に代入して式変形をしていきましょう。

 

<筆者の解答>

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