ちょぴん先生の数学部屋

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21世紀の早稲田商数学 -2004年-

私大文系入試で最高難易度と呼び声の高い、早稲田大学商学部の数学の問題を解いていきます。

 

19回目の今回は2004年です。

 

第1問(1)

 

分数の小数表示に関する問題です。これは小学生でも解けるかもしれない問題です。

 

2÷13を実際に計算すると、小数点以下は153846の繰り返しになります。なので、小数点以下第n位が知りたければ、nを6で割った余りが分かればよいことになります。

 

<筆者の解答>

 

第1問(2)

 

2次関数と3次関数の交点に関する問題です。

 

絶対値が付いているので、両曲線ともy軸対称でx=0では交点を持たないので、y=x^2とy=x^3+aがx>0の領域で1点交点を持つaの条件を求めることになります。

 

f(x)=x^3 -x^2 +aとしてf(x)の増減を調べてあげればよいでしょう。

 

<筆者の解答>

 

第1問(3)

 

複素数の計算問題です。

 

α^11 -1=0が成立するので、α≠1に注意すればΣα^k=0が分かります。また|α|=1もすぐにわかるので、これらを使って与式を計算すればよいでしょう。

 

<筆者の解答>

 

第1問(4)

 

恒等式に関する問題です。背景としてあるのは「関数のテイラー展開」だと思われます。

 

前者の関数をf(x), 後者の関数をg(x)とすると、f(x)=g(x)が常に成立するというのが問題文の言っていることです。

 

g(x)を2回微分するとa0,a1は消えて、さらにx=-1を代入するとa3以降も消えてしまいます。これによってa2だけをピンポイントで調べることができます。

 

よって、f''(-1)=g''(-1)を調べればa2が分かることになります。

 

余談ですが、同様に考えると、f(x)をn回微分してx=-1を代入することでanの情報を調べることができます。

 

<筆者の解答>

 

第2問

(筆者注:正しくはCOMMERCEの8文字。commerceは英語で「商業」ですね)

 

円順列に関する問題です。円順列の基本は、1文字の入る位置を固定してしまう事です。今回の場合は、OとRが1文字しかないので、このいずれかを固定すると見通しが良くなります。回答ではOを終始固定しています。

 

(1) 固定したO以外の残りの7文字を横一列に並べる方法を調べればOKです。

 

(2) 「隣り合っている文字がある」という余事象では数えにくいので、「隣り合う文字がない」並べ方を直接数えに行きます。

 

既に固定しているO以外に、1文字のものとしてRが余っていたので、Rの位置で場合分けして調べるとよいでしょう。そうした上で、同じ文字が入りうる場所の組み合わせを調べていきます。

 

<筆者の解答>

 

第3問

 

2の累乗の最高位の数字に関する問題です。

 

(1)各辺で対数を取ってあげればよいでしょう。

 

(2) (1)との関連で、10^l<2^m<2×10^lと書ける2^mが「最高位=1」になります。

この不等式を処理すると、m=[l/log2 +1]となり、m≦2004なので、lの最大値は603となります。

 

こうなるようなmの個数を数えたいのですが、ダブりがあると困ってしまいますね。しかし、log2=0.301を代入して処理すると、異なるlに対してはmは異なる値になってくれるので、ダブりはありません。

 

<筆者の解答>