ちょぴん先生の数学部屋

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平成の東工大後期数学 -2004年-

このシリーズでは、平成の東京工業大学の後期日程の数学の問題を解いていきます。

 

8回目の今回は2004年です。

 

第1問

 

順列の問題です。「ラテン方格」の1次元版のような設定ですね。

 

(1) 先頭の数字が2,3,4の場合で、それぞれ列挙してあげればよいです。

 

(2)発想力の必要な難問だと思います。

 

まず先頭の数字は1じゃない数字k (2≦k≦n)になります。このとき、単純に1とkの入れ替えと2~n(k以外)の数字の並べ替えを独立にやってよいか否かで様相が変わるので、場合分けを行います。

 

k番目の数字が1のとき、1とkが単純に入れ替わるだけなので、残りの数字の並べ替えは1,kとは独立に行うことができます。よって、このような並べ方はD(n-2)通りあることになります。

 

問題は、k番目の数字が1じゃないときです。この時の考え方が難しいのですが、

元の並びで、1以外の数字を全て番号違いになるようになるように並べる

1とkを入れ替える

で、このような並べ方が実現できます。なので、並べ方はD(n-1)通りあるということになります。

 

<筆者の解答>

 

第2問

 

2曲線の交点に関する問題です。

f(x)=n^x - x^nとして考えていきます。

 

(1) x<0のとき、n^xは増加関数でx^nは減少関数なので、f(x)全体は単調増加になります。なのでf(x)=0の解は1個以下で、さらにf(0)=1>0, f(-1)<0と符合違いになる箇所があるので、1個解があることが確定します。

 

(2) x≧0について考えていきます。x=nのときにf(x)=0が成立することは明らかなので、それ以外にf(x)=0の解があるかどうかをチェックすればOKです。f(x)=0を同値変形すると、logx/x=logn/nとなるので、g(x)=logx/xのグラフを考えればよさそうです。

 

(3) Pnのx座標を-anとすると、an^n=n^(-an)となり、これを同値変形すると、logan/an=-logn/nとなります。ここからn→∞で、logan/an→0となるので、an→∞かan→1の2択に絞れます。前者が不適なことを示してあげれば、Pnの収束先が綺麗に求まります。

 

<筆者の解答>