ちょぴん先生の数学部屋

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令和の九大理系後期数学 -2020年-

「平成の~」で漏れていた2020年度の九大理系数学の後期入試の問題を解いていきます。

 

 

第1問

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関数に関する不等式証明の問題です。

 

(1) f(x) = x-logx を微分して増減を調べる典型問題です。

 

(2) こちらも同様にg(x)=ax^n -logx の増減を考えればよいでしょう。a≦0とa>0とで場合分けして考えます。

 

(3) グラフを描き、PQの傾きとC2のp,qでの接線の傾きの大小を視覚的に捉えればOKです。

 

<筆者の解答>

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第2問

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周期関数に関する問題です。

 

(1) fn(x+k/2n)を愚直に計算してfn(x)と一致することを確かめましょう。この結果により、fn(x)が周期1/2nの周期関数だと分かります。

 

(2) fn(x)が周期関数なので、区間を[0, 1/2n]に絞って考えればOKです。

 

(3) 区間[0, 1/2n]での解をαnと1/2n- αnとすると、2つの和が1/2nになります。これが1/2nずつずれていくのでSnを求めることができます。

 

<筆者の解答>

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第3問

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ベクトルを使って四面体の体積を求める問題です。

 

(1) Q(0,q,0)としたときにPQの長さをqを使って表現して最小化すればよいでしょう。

 

(2)内積を計算して0になることをチェックして終了です。

 

(3) OA=BCのとき、a^2 + c^2 =3r^2/4となるので、a,cを1つのパラメータで表現できます。

 

これをしつつ、△OQCの面積と、Pと△OQCとの距離を調べてあげれば体積が求まります。

 

<筆者の解答>

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第4問

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極座標を使って関数の最大最小を求める問題です。

 

(1) Aは正方形ですね。

 

(2) x=rcosθ, y=rsinθを代入するだけです。

 

(3) (2)の変換を使うとθだけの関数に出来ます。AもBもx軸対称y軸対称なので、0≦θ≦π/2に絞って考えればよいです。

 

<筆者の解答>

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第5問

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確率の問題です。

 

(1)1回操作するとy=0かy=1になります。

 

(2)常に0≦y≦1になることを帰納法で証明すればよいです。

 

(3) y=1となるのは、最初に表が出続け、最後に裏が出るときだけです。

 

(4) yの推移を書いてあげると、y=2^(-k)となるのは、

最初のl回は表が出続けてl+1回目に裏、l+2回目はコインの出方によらずy=1/2となり、その後k-1回表が出続けるとき

だとわかります。

 

ここまでにl+k+1回の操作が必要になることに注意しましょう。

 

<筆者の解答>

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