このシリーズでは、平成の九大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
最終回の今回は1990年になります。
第1問
楕円に関する1次変換の問題です。
(1) 楕円上の点をP(acosθ, bsinθ)とパラメータ表示して、f(P)の軌跡を愚直に計算します。
この軌跡は2次曲線となるのですが、これが円となるには、x^2とy^2の係数が一致しxyの係数が0にならないといけません。これと、半径が1という情報でa,b,cが決まります。
(2) 頂点の一つをA(acosΦ, bsinΦ) (0<Φ<π/2)とすると、残りの長方形の頂点B,C,Dはこれの符号違いになります。
そのときOA'=OB'かつOA'⊥OB'であれば、長方形ABCDの移動先A'B'C'D'は正方形になります。そうなるようにΦを決めてあげましょう。
<筆者の解答>
第2問
漸化式の問題です。
(1), (2)いずれもやることは教科書レベルの作業ですが、b=-1の場合とb≠-1の場合に分けて考える必要があることに注意しましょう。
<筆者の解答>
第3問
曲線で囲まれる面積を考える問題です。
(1) Qの座標を求めれば、図形的に面積が求まります。
(2) tで(1)の結果を微分してあげればいいでしょう。最小値の式はいささか複雑になります。
<筆者の解答>
第4問
アステロイドに関する問題です。
(1) A,Bの座標をθで表現できれば瞬殺でしょう。
(2)こちらはLθとLθ0の交点の座標を愚直に計算していきます。和積の公式と2倍角の公式をうまく使うと、極限を計算するときに0/0の不定形を解消できます。
(3) このCは「アステロイド」と呼ばれる曲線になります。
(4) X,Yをθ0で微分して、公式通りに長さを計算します。
<筆者の解答>