このシリーズでは、平成の九大理系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。
29回目の今回は1991年になります。
第1問
一次変換に関する問題です。
(1) (X,Y)が(X', Y')に移るとき、(X,Y)によらずに(X', Y')がl上にある条件を求めます。
(2) Bによって(0,0)に移るような(X,Y)の条件を求めればよいでしょう。
<筆者の解答>
第2問
チェビシェフ多項式に関する問題です。
(1) cos(n+1)θ+cos(n-1)θを計算してあげれば求まります。
(2) (1)の漸化式を使って帰納法で証明します。
(3) Fn'(x)を計算するには、fn(θ)のθによる微分を経由させるとよいです。結果としてFn'(x)=0はsinnθ=0と同値になります。
ここで、-1<x<1の条件があるので、0<θ<πに限ってしまえばxとθがキレイに1対1対応になって考えやすくなります。
<筆者の解答>
第3問
3次関数の接線と、交点のx座標に関する計算問題です。
(1) CとAを連立してできる3次方程式が重解を持てば条件を満たします。3次関数のグラフの概形を調べるのが簡明でしょう。
※Cの接線の傾きが1になる接点のx座標を求める作戦でもOKです(別解)
(2) 解と係数の関係から、x1+x2+x3, x1x2+x2x3+x3x1, x1x2x3の3つが求まるので、これらを利用します。
x^3 + y^3 + z^3 -3xyz = (x+y+z) (x^2 + y^2 + z^2 -xy-yz-zx)の因数分解を使いましょう。
<筆者の解答>
第4問
微分方程式と、回転体の体積の計算問題です。
(1)Cの式をy=f(x)とおいて、法線の式と内分の条件からf(t)の微分方程式を立てます。それを解くことで、Cが楕円だと分かります。
(2) Cの両端の座標を求めれば、定石通りの積分計算です。
(3) Vを2乗してからsで微分すると計算が楽になります。
<筆者の解答>
第5問
確率の問題です。
(1) ちょうどk回目に表が出る確率を考えて足してあげればよいでしょう。Z≦kとなる必要十分条件がX≦kかつY≦kなので、両者を掛け算すればよいでしょう。
(2) 基本的には、P(Z=k) = P(Z≦k) - P(Z≦k-1)で求まりますが、k=1, n+1の時は例外処理が必要です。
(3) 定義通りに期待値を計算しますが、等差数列×等比数列の形のΣが2種類登場します。
<筆者の解答>