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平成の東北大文系後期数学 -1992年-

このシリーズでは、平成の東北大文系数学の後期入試の問題を1年ずつ遡って解いていきます。

 

基本的に文系ユニーク問題のみ解きますので、理系との共通問題については、理系の記事をご参照ください。

理系の記事はこちら↓

平成の東北大理系後期数学 -1992年- - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

27回目の今回は1992年になります。

 

第1問

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不等式が常に成り立つ条件を求める問題です。

 

解法を3つほど思いついたので、全て紹介していきます。

 

1つ目(本解答)は、不等式の左辺のx≧0での増減を調べる方法です。微分するとaの値によって増減の様子が変わるので、場合分けして調べます。

 

2つ目(別解1)は、不等式をx^3+1≧axと変形し、3次関数y=x^3+1が常に直線y=axの上側に来るようにaを視覚的に決める、という方法です。両者が接するときにaが最大になることが分かるので、この最大値を微分で求めに行きます。

 

3つ目(別解2)は、数Ⅲの知識を使う方法で、不等式をx^2 +1/x≧aと変形して、x^2+1/xの増減を微分して調べて、これの最小値よりもaが小さければよい、という考え方の解法になります。

 

<筆者の解答>

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第2問

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1次変換を求める問題です。

 

まずx^2+y^2=1がx^2+y^2=2に移るという条件を処理していきます。点(cosθ, sinθ)をfで移した点が常にx^2+y^2=2上にある、という条件からθの恒等式が求まります。θ=0やθ=π/2といった特別な値を代入してa~dの必要条件を詰めていきます。すると、a~dは一つの角度αを使った三角関数の形で全て書けることが分かります。

(この時点で、fは縮尺を√2倍しつつ原点の周りに回転させる変換、ないし原点を通る直線に対する対象移動を行う変換、のいずれかだと分かります。)

 

あとは、xy=1がx^2-y^2=4に移る条件を同じように処理してαを確定させます。

 

<筆者の解答>

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第3問

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点の軌跡を求める問題です。

 

αは0<α<π/2 (要するに0とπ/2は含まない)となることを暗黙の前提にしてよいでしょう。その下で、OA=(cosα, sinα), OB=(cosα, -sinα)と書けるので、あとは問題文に従ってPの座標(x,y)を計算してθを消去していきましょう。

 

<筆者の解答>

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第4問

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Σ計算の問題です。

 

言わずもがな、まず分母の1^2+3^2+・・・+(2k-1)^2を計算しないことにはどうにもなりません。

 

これが計算できると、最終的に部分分数分解を使うタイプのΣ計算に帰着します。

 

<筆者の解答>

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