このシリーズでは、大阪大学の後期の数学の問題を解いていきます。
2回目の今回は2011年です。
第1問
内サイクロイドに関する問題です。
(1)Cnの回転角θとtとの関係に注意しつつ、Pnの座標を求めていきます。回転行列を駆使すると見通しが良いです。
(2) P2とP3の座標がそれぞれ(1)の結果から計算できます。このときにP3の変数をうまく変換するとP2の座標の式と一致することを確かめればよいでしょう。
<筆者の解答>
第2問
数列の個数を数える問題で、実質格子点の個数を数える問題です。
(1) 2≦2a1≦a2≦nとなるような(a1,a2)の個数がS2(n)となります。a2を固定したときのa1の個数を数えたのち、a2を動かして全部足し上げるという方針でよいのですが、nやa2には偶奇の場合分けが発生します。
(2)こちらは実質S3(N)の式を求める問題です。
S3(N)は、4≦4a1≦2a2≦a3≦Nをみたす(a1,a2,a3)の個数ですが、a3を固定してしまえば、(1)の結果を利用できます。最終的にはa3, Nを4で割った余りによる場合分けが必要になります。
(3) (2)の結果を使って、S3(n)の4通りの表式それぞれに対して極限を計算すると、全て同じ値になります。
<筆者の解答>
第3問
対称式を処理する問題です。
問題文の2つの式は、2つともsinxとsinyの対称式なので、s=sinx+siny, t=sinxsinyのように和と積を定義してしまえば、2つともs,tだけの式で書くことができます。
連立すればs,tがともに求まり、解と係数の関係からsinx, sinyの値がそれぞれ求まることになります。あとは加法定理を使ってあげればx+yが求まります。
<筆者の解答>
第4問
線分の長さを求め、その和に関する極限を計算する問題です。
(1)∠OAP=30°だと図を描くと分かるので、lkの傾きはtan(kπ/6n)と書けます。
ここから、QkとRkのx座標を調べることができます。解と係数の関係を使いつつ、目的のものを計算していきましょう。
(2)区分求積法を使って極限計算していきます。
この(2)で計算しているのは、実質Cの上半分の面積(半径1の半円の面積)です。
(※の記載をご覧ください)
<筆者の解答>