ちょぴん先生の数学部屋

数学の楽しさを、現役メーカーエンジニアが伝授するぞ!

21世紀の早稲田商数学 -2008年-

私大文系入試で最高難易度と呼び声の高い、早稲田大学商学部の数学の問題を解いていきます。

 

15回目の今回は2008年です。

 

第1問(1)

 

x^n+(1/x)^nの値を計算する問題です。

 

数列an=x^n+(1/x)^nを考えたときa0=2とa3=52だけが分かっている状態なので、anの漸化式を作ることでa1, a2, a4を計算していきます。

 

漸化式は、anにa1をかけることで作ることができます。

 

<筆者の解答>

 

第1問(2)

 

正三角形に関する図形問題です。

 

色々解き方があると思います。まず「3つの三角形について余弦定理を処理する」という方法を試しましたが、計算式が複雑になりすぎてしまい行き詰まってしまいました。

 

結局、高校数学の知識で一番スッキリ解ける解法は「座標系の設定」でした。

 

余弦定理で正三角形の1辺の長さが求まるので、それを使って、Pを原点、Aを(1,0)とするようなxy座標を組んで、Cの座標を計算するという方法です。

 

しかしこの問題、ある補助線を引くと、中学数学の知識だけで解けてしまいます。別解で紹介していますが、BPを延長して正三角形△APQを作ることで、三角形の合同条件、直角三角形の比の関係でCPが求まってしまいます。

 

以前、このブログで似たような図形問題を解いたことがあったので、思いついたアイデアになります。

図形問題でわかる数学の凄さ! - ちょぴん先生の数学部屋 (hatenablog.com)

 

<筆者の解答>

 

第1問(3)

 

自然数の約数の個数に関する問題です。

 

N=p1^a1×p2^a2×p3^a3×・・・・と素因数分解されるとき、約数の個数MはM=(1+a1)×(1+a2)×(1+a3)×・・・と計算できます。

 

このa1, a2, a3・・・のうち0でないものの個数で場合分けすることで、M=28となるa1, a2, ・・・・の組み合わせを調べてしまいましょう。

 

これが求まれば、各場合について出来るだけ小さくなるように素数を当てはめてあげましょう。

 

<筆者の解答>

 

第1問(4)

 

絶対値の和で書かれた一次関数の最小値を考える問題です。

 

絶対値が付いたままだとどうにもならないので、外すことを考えます。

絶対値を外すにあたっては、1/(l+1)≦x≦1/l (l=0,1,2,・・・,100)で区間を区切って考えるとよいでしょう。

 

そうすると、傾きが負から正に切り替わる瞬間が分かり、そこでf(x)が最小値を取ることが分かります。

 

<筆者の解答>

 

第2問

 

数列に関する問題です。似たような問題が東大の2011年の第2問に出題されてましたね。

 

(1) (ii)に従って計算していくと、anが周期をもつことが分かります。

 

(2) (ii)に従うと、a2=1/a, a3=1/a-1までは確定で求まります。a4以降がaの値によって挙動が変わってくるので、aの値で細かく場合分けしてa6を求めていきましょう。

 

<筆者の解答>

 

第3問

 

またまた数列に関する問題です。

 

(1) n=99を(iii)に代入すれば片が付きます。

 

(2)(3)はまとめて考えてしまいます。

 

(iii)はg(n)=の形に変形できないので、直接g(101)を知るすべはありません。

f(99)=0, f(100)=1, f(101)=2であり、かつg(99)=1, g(100)=0となるので、

なんとなく、f(n)=n-99, g(n)=100-nなのではないかと推測できます。今回はこのようにf(n), g(n)の一般式を推測できないと解けないです。

 

この推測が当たっていますようにと祈りながら(iii)に代入すると、無事成立が確かめられます。

 

<筆者の解答>