私大文系入試で最高難易度と呼び声の高い、早稲田大学商学部の数学の問題を解いていきます。
14回目の今回は2009年です。
第1問(1)
三角関数の方程式を解く問題です。
cos^4+sin^4の形があるので、うまく因数分解してcos^2+sin^2=1の形を作りたいです。そうして倍角なども使っていくと次数を下げられ方程式を解くことができるようになります。
<筆者の解答>
第1問(2)
放物線と線分で囲まれる面積に関する問題です。
P(α, α^2), Q(β, β^2)とおいて、PQ=1をα,βの式で言い換え、面積をα, βの式で表現していきます。
まぁ、直感的には線分PQがx軸平行のときに面積になりそうだと予測できますが。
<筆者の解答>
第1問(3)
整数部分と小数部分を考える問題です。
整数問題の基本は、「整数の候補を絞ること」です。
ab=127(a+b)という式を見たとき、整数であることが確定している要素と、そうでない要素を分けてあげるとb=127a/(a-127)となります。ここでbが小数部分なので、0≦b<1が必ず成立しています。ここからaの候補を絞り込むことができます。
<筆者の解答>
第1問(4)
空間内の「折れ線の長さ」に関する問題です。
「折れ線の長さの最小化」は、「同じ長さを持ってきて、点が一直線上に並ぶようにする」というのが基本方針ですが、今回は空間図形であり「対称移動させる」という考え方ではうまくいきません。仮にAをx軸について対称移動した点をA'としても、直線A'Bが肝心のx軸を通ってくれない場合があるわけです。
なので、ここは「対称移動」から考えを拡張させて、「x軸を中心とし、x軸に垂直な平面上にあるAを通る円」を考えてあげるとよいです。この円周上の点をQとすればPA=PQが常に成り立つので、Q,P,Bがこの順番に同一円周上に乗る条件を考えていくわけです。
<筆者の解答>
第2問
2本の直線の交点に関する問題です。
(1) 2本の直線の式を連立すればいいのですが、a=±1のときにxの係数が消えて不都合な状況になります。
a=1の場合は、xによらず方程式が成り立つので、解は無数にあります(2本の直線がピタリと重なる)。
a=-1の場合は、方程式が成り立たないので、解は存在しません(2本の直線が、文字通り「平行線」を辿るので交わらない)。
(2) (1)の結果から、a=-1の場合はそもそも除外され、大きくa=1の場合とa≠1の場合に分けて検討する必要があると分かります。
いずれにせよ、Bの中に解が来るようにaの範囲を決めていきます。
<筆者の解答>
第3問
不連続な関数に関する問題です。
(1) (ii)にx=1/2を代入すればよいです。
(2) (1)に比べると難易度が上がり、(ii)を2回使う必要があります。
まずx=-4/3を代入すると、f(-4/3)とf(-1/3)が紐づきます。そしてx=-1/3を代入すると、f(-1/3)とf(2/3)が紐づき、f(2/3)は実際に(i)から計算可能になります。
(3) 0≦X<1の下で、f(X+k), f(X-k) (※kは0以上の整数)の式を(ii)を繰り返し使って計算することができます。
この結果を使ってf(x)-f(-x)を計算するのですが、f(x)はxが整数になるタイミングで不連続になるので、xが整数の場合と、整数でない場合で、場合分けが発生することになります。
<筆者の解答>