このシリーズでは、名古屋大学の後期の数学の問題を解いていきます。
8回目の今回は2000年です。
第1問(情報学科)(a)
2進数の下2桁を考える問題です。100で割った余りというのは、要するに下2桁の事です。
(1) 下2桁が76になる整数同士で掛け算すると、その結果も下2桁が76になることを確かめれば十分です。
(2) これは実際に2^nを計算するほかないでしょう。下2桁をひたすら2倍していきます。
(3) (1)と(2)の結果を利用すればよいでしょう。
<筆者の解答>
第1問(情報学科)(b)
通過領域に関する問題です。
放物線がA,Bを通るので、bとcがaの式で表せます。そのときにaを0以外の実数(*)で隈なく動かしたときの放物線の通過領域を考えて、それを逆転させたものが求める領域になります。
※a=0だとそもそも放物線じゃなくなってしまうので、除外しておきます。
<筆者の解答>
第2問(情報学科)(a)
放物線と接線に関する問題です。
(1) 放物線と直線の式を連立したときに重解を持つ条件を考えればよいでしょう。その重解が0~2の範囲にあるという条件からaの範囲も決まります。
(2)対称性を生かして積分していきましょう。
<筆者の解答>
第2問(情報学科)(b)
対数関数に関する問題です。
(1) 左辺ー右辺を微分して増減を調べればよいでしょう。
(2)微分して増減を調べます。(1)の結果を使うとすれば、x→∞のときにlogx/x→0となることを示す場面ですかね。はさみうちを利用します。
(3)両辺対数を取れば(2)の関数に帰着できるので、(2)のグラフを利用するとよいでしょう。
<筆者の解答>
第3問(情報学科)(a)
場合の数の漸化式を考える問題です。
n-1回目に表が出るか裏が出るかで場合分けして漸化式を作るとよいでしょう。
<筆者の解答>
第3問(情報学科)(b)
ベクトルに関する不等式証明の問題です。
全ての面が鋭角三角形なので、同じ始点の2つのベクトルの内積が必ず正になります。
これを利用していくのですが、Qがどの辺上にあるのかで場合分けが必要となり、不等式の証明には発想力が必要になります。できるだけプラスの数の塊を作っていけるように工夫していきましょう。
<筆者の解答>
第1問(工学部)
図形の総合問題です。
(1)tanの加法定理を利用して直線QSの式を求めていきましょう。
(2)X,Yの式は楕円となりますが、X,Yの取りうる値の範囲に注意が必要です。
(3)折れ線の長さの最小化は、「対称な点を考える」というのが定石ではあるものの、今回の問題の場合はあまり有効にはならないです。
tやsの式のままだとLはかなり複雑になってしまうので、(2)で登場したX,Yに変数を変換することを考えてみましょう。LをYの式にすると、単純な相加相乗平均に帰着できます。
<筆者の解答>
第2問(工学部)
複素数の漸化式に関する問題です。
(1)z1=r×z0 (rは実数)、z0=cosθ+isinθとして、漸化式を満たすようなr,θが見つかればOKです。
(2) (1)のz0について、zn = r^n×z0となるので、結局|zn|→0となる条件は、|r|<1となります。(1)でrが2つ求まっているので、その両方が|r|<1となるようにEの範囲を決めてあげます。
<筆者の解答>
第3問(工学部)
水面の面積を求める問題です。
まず、傾ける前の容器は、y^2=x^2+x^2 (0≦y≦a)と書けます(xz平面が水平面だと仮定)。
これを、z座標を固定しつつ原点の周りにxy平面上でθ回転させることで、傾けた後の容器の式を求めることができます。
そこから水面の方程式が楕円の式で求まるので、面積を計算できます。
<筆者の解答>
第4問(工学部)
確率の問題です。
条件を満たすようにトーナメント表を書いて考えていきます。このとき、強者の一人をAとして、Aが最終的に対戦する相手が強者なのか弱者なのかで場合分けして考えます。
<筆者の解答>